2010年10月18日-4
中心市街地活性化の進捗状況、「後退」が約4割

 日本商工会議所はこのほど、「新しいまちづくりに向けた取組みに関する調査」の集計結果をまとめた。調査は、昨年改正されたまちづくり3法が改正されたことを踏まえ、全国各地で取組みが進められているまちづくりの状況を把握し、今後の促進方策を探ることを目的に実施したもの。今年5月に全国517商工会議所を対象に実施し、255商工会議所(回収率49.3%)から回答を得た。

 調査結果によると、1998年の「旧まちづくり3法制定時」と比べた現在の中心市街地の活性化の進捗状況については、「進んでいる」(28.9%)との回答が3割に満たないのに対して、「後退している」(39.1%)との回答が約4割を占めた。人口規模別にみると、規模が大きくなるほど活性化が「進んでいる」とする回答が多いが、反対に規模が小さくなるにつれ「後退している」との回答が多くなっている。

 今後5年程度の中心市街地の見通しについては、「活性化に向かっている」が41.3%で「衰退に向かっている」の37.4%をわずかに上回った。また、中心市街地活性化法に基づく基本計画の作成状況については、「認定済み」、「作成中」、「申請準備予定」など、何らかの対応をしている地域は58.9%と約6割で、「作成する予定はない」とする地域が約4割(41.3%)ある。人口規模が小さいほど作成予定のない地域が多い。 

 基本計画を作成する上での困難な事項(3つまで選択)については、「実施する活性化事業の選定」が71.6%で最多、次いで「数値目標の設定」(55.5%)、「中心市街地の位置・範囲の設定」(38.9%)の順。一方、民間のまちづくり推進組織である中心市街地活性化協議会の運営上の困難(2つまで回答)では、「運営経費の捻出」、「タウンマネージャー等のリーダーの確保」などの回答が多く、資金と人材の不足が浮き彫りにされた。

 地方自治体の首長の郊外開発に対するスタンスについては、65.4%の商工会議所が「態度を明らかにしていない・不明」、28.5%が「開発抑制の方向」、6.1%が「開発促進の方向」とし、抑制派が促進派の約5倍に達する。ただ、今後5年程度の見通しをみると、首長が郊外開発抑制派の場合は、57.1%の商工会議所が「活性化に向かっている」のに対し、逆に首長が開発促進派の場合は、53.3%が「衰退に向かっている」見通しを持っている。

 同調査結果の詳細は↓
 http://www.jcci.or.jp/machi/071010chosakekka.pdf

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