帝国データバンクが発表した法的整理による全国企業倒産状況（負債１千万円以上）によると、９月の倒産件数は943件で、前月比は2.2％、前年同月比も0.3％の減少となった。13ヵ月連続で前年同月を下回ったものの、減少率は0.3％とほぼ横ばいとなり、二ケタの減少率が続いた減少基調は終息に向かいつつある。ただ、関東（352件、前年同月比▲1.7％）、近畿（232件、同▲8.3％）では小売業を中心に減少が続いている。
一方、負債総額は１兆3705億9800万円となり、前月比は709.9％、前年同月比も282.8％の大幅増加となった。この結果、８ヵ月ぶりの前年同月比増加となるとともに、今年２番目の高水準となった。これは、日本振興銀行（負債6805億6300万円、東京）、消費者金融の武富士（同4336億800万円、東京）の超大型倒産が続いて発生したことが要因で、この２社のみで当月の負債総額の81.3％を占めた。
業種別にみると、７業種中６業種で前年同月を下回った。なかでも、運輸・通信業（36件、前年同月比▲23.4％）、サービス業（146件、同▲16.1％）、卸売業（122件、同▲12.9％）の３業種は、前年同月からの減少率が二ケタとなった。一方、建設業（285件、同31.3％増）は、２ヵ月連続の前年同月比増加となり、唯一前年同月を上回った。特に、土木工事（59件、同78.8％増）、内装工事（36件、同44.0％増）で増加が目立つ。
負債額別にみると、負債5000万円未満の倒産は478件発生し、前年同月を12.7％上回った。構成比は50.7％で、前年同月から5.9ポイントの大幅増加、３ヵ月連続の50％台の高水準となった。一方、負債100億円以上の大型倒産は３件発生し、2009年５月の６件以降、17ヵ月連続の一ケタ台となった。また、負債10億円以上の倒産は50件発生し、前年同月を4.2％上回り、１年３ヵ月ぶりに前年同月を上回った。
資本金別にみると、個人経営と資本金1000万円未満の倒産が477件発生し、構成比は50.6％。中小企業は940件で全体の99.7％、小規模企業も804件で同85.3％を占めるなど、小規模倒産は高水準で推移した。
同倒産状況の詳細は↓
http://www.tdb.co.jp/report/tosan/syukei/1009.html