2010年10月14日-1
当面する企業経営課題、「収益性向上」がトップ

 2010年の企業経営課題として、昨年と同様に今年も「収益性向上」が57.6%でトップ、次いで「売上・シェア拡大」が55.9%と、この2項目が突出しているが、2009年に8.0ポイントあった両項目の差が1.7ポイントに縮まったことが、日本能率協会が国内主要企業の経営者を対象に7月から8月にかけて実施した「2010年度当面する企業経営課題に関する調査」結果(有効回答数632人)で明らかになった。

 「売上・シェア拡大」は、2009年に前年比14.7ポイント急上昇し、2010年も同3.1ポイント上昇と、この2年間で17.8ポイントも急増。リーマンショック以降、企業が優先的課題として認識している。また、「技術力の強化」が、2009年に同2.8ポイント上昇して8位(13.0%)、2010年には同4.4ポイント上昇して5位(17.4%)と同時期に上昇しており、収益性向上や売上・シェア拡大の具体的施策として重要性が高まっているようだ。

 中期的(2013年頃)な経営上の課題では、1位の「収益性の向上」(45.4%)から、「売上・シェア拡大」(42.4%)、「人材強化」(41.5%)、「新製品・新サービス・新事業開発」(31.0%)と4位までは現在(2010年)と変わらないが、「グローバル化」が現在の10位(10.6%)から9.3ポイント上昇して5位(19.9%)に浮上。半面、「現場の強化(安全、技能、伝承など)」は現在の7位(13.3%)から14位(6.8%)へと大きく順位を下げている。

 一方、財務領域における課題については、「会計基準・制度の変更への対応」が2009年の26.2%から2010年には41.5%へと急増してトップとなった。将来的に適用が予想される国際財務報告基準(IFRS)への対応を迫られていることがうかがえる。さらに、上場企業の71.4%が「財務・経理部門を中心に自社の対応策を検討中、または情報収集中」と回答している。

 同調査結果の詳細は↓
 http://www.jma.or.jp/news_cms/upload/release/release20101007_f00119.pdf

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