2010年10月12日-2
有期労働契約者の活用現状をヒアリング調査

 2008年以降の急激な景気悪化に伴い、雇用問題が大きな政策課題となっているなか、雇用の一形態である「有期契約労働者」について、企業ヒアリング調査が実施された。労働政策研究・研修機構が有期契約労働者の活用数上位業種(製造、小売、サービス(派遣等))及び活用割合の上位業種(小売、飲食、教育、サービス)等に照準を当て、そのリーダーカンパニー23社を対象に訪問ヒアリング調査を行ったもの。

 有期契約労働者を正社員のそれとの異同(業務内容で比較し得る正社員がいるか、責任はどの程度か)で比較分類すると、(1)高度技能活用型(業務の異同を問わず責任が高度)、(2)正社員同様職務型(業務・責任とも同様)、(3)別職務・同水準型(業務が異なる又は責任が異なるが、事業継続性の担保や収益貢献に果たす役割等の観点から同水準の位置付け)、(4)軽易職務型(業務の異同を問わず責任が軽易)の4タイプに類型化される。

 有期労働契約の事由を聞くと、高度技能活用型では、「正社員の処遇体系では対応しきれない」、正社員同様職務型では、「試行的雇用期間に位置付ける(試用期間を延長できる)」、別職務・同水準型では、「需要の不確実性や新規事業の不透明性への対応」、軽易職務型では、「個人都合を優先させた短時間勤務等で人件費を削減しつつ、サービス需要の週・一日単位変動に柔軟に対応するため」など、恒常的に有期労働を活用している。

 有期労働者の有効活用の反面、「社内に人材を保持していない専門的職務への即戦力の機動的確保(プロジェクト期間、新規事業展開時、システム導入やプログラム構築等不定期に発生した専門職務の必要期間のみ等)」や「季節循環・繁閑周期に伴う職務量調整への対応」、「出産・育児等休暇者の代替要員」――といった、職務・勤務地等の「臨時・一時性」に明確に裏打ちされた事由での活用は極めて少なかった、としている。

 同調査結果の詳細は↓
 http://www.jil.go.jp/institute/reports/2010/documents/0126.pdf

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