情報処理推進機構がまとめた2010年9月及び第3四半期のコンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況によると、9月のウイルス検出数は3.4万個と、8月の約4.5万個から23.1%減った。また、同月の届出件数は1082件で、8月比8.1%減。検出数のトップはW32/Netskyで約2.7万個、2位はW32/Mydoomで約4千個、3位はW32/Waledacde約1千個だった。
不正プログラムの検出状況では、MALSCRIPTやFAKEAVが急増したことが確認された。MALSCRIPTは、ホームページなどのHTMLファイルに悪質なスクリプトが含まれている場合に検知される名称になる。このようなHTMLファイルを脆弱性のあるパソコンで閲覧すると、自動的にウイルスがダウンロードされ、感染してしまう可能性がある。日頃から脆弱性対策を実施しておくことが必要だ。
不正アクセス届出状況では、9月は15件。うち何らかの被害のあったものは10件。内訳は、侵入5件、DoS攻撃2件、不正プログラム埋め込み2件、その他(被害あり)1件。侵入被害では、ウェブページが改ざんされていたものが3件、外部サイトを攻撃するツールを埋め込まれて踏み台として悪用されていたものが2件。「不正プログラム埋め込み」被害は、組織のLANに接続しているパソコンがウイルスに感染ものが2件だった。
第3四半期(7~9月)の累計を見ると、届出件数は3468件となり、第2四半期(4~6月)と同水準だった。ウイルス検出数は約13万個と、前年同期の約36万個から3分の1に減った。これは、検出数の報告のほとんどがメールの添付ファイルからウイルスを検知したものであり、メール経由で届くウイルスへの対策が着実に浸透しているため、検出数が減少傾向にあると推測されている。
同届出状況の詳細は↓
http://www.ipa.go.jp/security/txt/2010/10outline.html