2010年10月07日-1
進む中小企業社長の高齢化と業歴の長期化~信金中金

 信金中央金庫が9月始めに実施した「中小企業経営者の健康管理と事業承継についての特別調査」結果(有効回答数1万3675社)によると、社長(代表者)の高齢化と業歴の長期化が進む一方、事業承継への相談は進んでいないことが明らかになった。社長の年齢階層については、「60歳代」の比率が38.3%を占めてもっとも高く、以下、「50歳代」が27.2%、「70歳代以上」が15.7%で続いた。

 5年前の前回調査(2005年4~6月期)と比べると、50歳代の比率が5.4ポイント低下する一方で、60歳代以上の層の比率(4.6ポイント増の54.0%)と、「40歳代」の比率(0.8ポイント増の15.0%)が同時に上昇している。「20歳代、30歳代」は前回調査、今回調査ともに3.8%と変わらないが、全体的に経営者の高齢化が進むなかで、一部で世代交代の動きも出ているとみられる。

 業暦については、「40年以上」の比率が42.8%を占めてもっとも高く、以下、「30年以上40年未満」が24.2%、「20年以上30年未満」が19.1%で続いた。前回調査と比べると、「40年以上」の比率が5.5ポイント高まる一方で、40歳未満の比率は軒並み減少した。こうしたなか、事業承継に向けた相談については、「具体的な相談をしている」が25.3%、「事業承継は対応済み」が23.3%、「相談していない」が51.4%となった。

 「相談している」の内訳では、「事業承継に向けて環境が整った」が8.9%、「自身の健康・体力に不安を感じた」が5.4%と、比較的上位となった。対して、「相談していない」の内訳には「まだ必要性を感じない」が39.8%と、他の選択肢を圧倒した。経営者の年齢が60歳以上の企業に限定すると、60歳代で4割以上が、70歳代以上でも3割近くが「相談していない」と回答、その内訳でも「必要性を感じない」がもっとも高かった。

 後継者の有無については、「後継者はすでに決まっている」という回答は38.3%にとどまった。経営者の年齢が上がるにつれて後継者が決まっている企業の割合が高くなるものの、60歳代で48.4%、70歳代以上でも59.0%にとどまっており、かなりの企業で後継者が決まっていない状況がうかがえる。後継者に希望する人材については、「子ども(娘婿を含む)、配偶者」が66.0%と、全体の3分の2を占めている。

 同特別調査結果の詳細(全国中小企業景気動向調査の中)は↓
 http://www.scbri.jp/PDFtyuusyoukigyou/release/release141.pdf

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