2010年10月04日-4
中小向け融資に“消極的”な主要行~金融庁調査

 金融庁が1日に発表した「金融機関の融資動向等に関するアンケート調査」結果によると、金融機関の中小企業への融資姿勢に対する消極的評価は、全業態合計では10.4%だが、業態別では、主要行が24.4%となり、次位の地域銀行(11.7%)や協同組織金融機関(7.6%)、政府系金融機関(7.1%)を大きく引き離した。同調査は、8月に、全国の財務局等において、各地域の商工会議所の経営指導員等596人を対象に実施したもの。

 このように、中小企業への融資姿勢は主要行の“消極的”な評価が目立ったが、反対に積極的評価では、全業態合計で60.5%のところ、業態別では、政府系金融機関が74.2%、次いで協同組織金融機関が63.8%、地域銀行が55.3%であるのに対し、主要行は24.4%に過ぎない。主要行について「消極的」を選択した理由としては、「新規融資関連」(39.4%)、「融資条件関連」(21.2%)、「担保・保証関連」(19.7%)などが挙げられている。

 主要行に対しては、「新規融資先を積極的に探そうとしておらず、営業に来る話を聞かない」、「融資の申込みを入り口で断っており、相談にまで至らないケースがある」、「信用保証協会の保証付き融資には積極的だが、プロパー融資はほとんどない」などと指摘する声があった。反面、積極的評価は低いものの、「中小企業円滑化法の施行後は、貸付条件の変更に積極的に応じている」との意見もみられた。

 また、中小企業に対する貸付条件の変更等に対する対応では、全業態合計で、積極的評価は65.3%、消極的評価は4.1%となった。業態別にみると、積極的評価は、政府系金融機関(78.4%)、協同組織金融機関(61.7%)、地域銀行(61.2%)、主要行(45.2%)の順。消極的評価では、主要行(7.0%)、地域銀行(5.0%)、協同組織金融機関(4.6%)、政府系金融機関(2.0%)の順に大きくなっている。

 なお、中小企業への融資姿勢に対する評価を地域別(財務局等ごと)にみると、積極的評価がもっとも大きい地域は「北陸」(70.5%)であり、次いで「東北」(67.6%)、「四国」(67.0%)、「北海道」(66.5%)、「九州」(63.6%)、「関東」(62.2%)の順。一方、消極的評価がもっとも大きい地域は「近畿」(15.7%)であり、次いで「九州」(13.9%)、「北陸」(13.7%)、「東海」(13.6%)、「北海道」(10.0%)、「沖縄」(9.8%)の順だった。

 同アンケート調査結果の概要は↓
 http://www.fsa.go.jp/news/22/ginkou/20101001-3/02.pdf

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