2010年10月04日-3
新卒者の初任給を「据え置いた」企業は約9割

 日本経団連が6月から7月にかけて実施した「2010年3月卒新規学卒者決定初任給調査」結果(有効回答数496社)によると、「大学卒事務系」の上昇率は前年比0.13%増の20万7445円となった。初任給の上昇率は、大学卒事務系以外のすべての学歴区分で0.1%を下回るなど、ほぼ横ばいとなった。上昇率の推移をみると、「大学院(修士)卒技術系」(0.06%増、22万6645円)と「大学卒事務系」はわずかながら3年ぶりに前年を上回った。

 大学卒事務系の産業別初任給をみると、上位は「石油・石炭製品」(23万8612円)、「新聞・出版・印刷」(23万4675円)の順であり、下位は「金融・保険業」(19万1307円)、「土木建設業」(20万1777円)となっている。この上位の2産業は2006年から変わっていない。全産業平均を100とした場合、「石油・石炭製品」は115.0であるのに対し、「金融・保険業」は92.2と大きな開きがある。

 初任給を規模別にみると、大学卒事務系と高校卒現業系(平均16万3636円)では「100~299人」規模がもっとも高くなっているが、大学院(修士)卒技術系では「500~999人」規模が、高校卒事務系(平均16万2749円)では「100人未満」規模がもっとも高くなっている。また、学歴別の「3000人以上」規模の初任給を100として比較すると、大学卒事務系においては3000人未満の全規模で100を上回っている。

 初任給の決定状況をみると、前年の初任給を「据え置いた(凍結した)」企業の割合は、前年から3.9ポイント増の90.9%となり、2004年以降5年間続いてきた減少傾向から増加に転じた2009年(35.0ポイント増の87.0%)に引き続き増加した。初任給凍結企業の割合が9割を超えるのは過去最高だった2003年(91.4%)以来7年ぶり。ちなみに、最低は1991年の1.1%。初任給を「引き下げた」企業の割合は0.9%だった。

 同初任給調査結果の詳細は↓
 http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2010/087.pdf

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