2010年09月27日-1
駆込み需要と反動減をどうみるかで、レポート

 ニッセイ基礎研究所が「駆け込み需要と反動減の影響をどうみるか」をレポートしている。個人消費は雇用・所得環境の持直しや各種経済対策の効果を背景に持直しの動きを続けてきたが、2010年7~9月期以降は、複数の駆込み需要とその反動減が発生、個人消費の基調が見極めにくい状況が続くことが予想される。この場合、駆込み需要のプラスより反動減によるマイナスのほうが大きくなることを念頭におく必要があるとみている。

 例えば、毎期10万円の消費をする人が翌期に使うはずであった1万円を前倒しで消費したとすると、その期の消費は前期比で10%の増加となる。翌期の消費は元の水準の10万円に戻るだけではなく、さらに前倒しで消費した1万円を差し引いた9万円となる。そのため、前期比では▲18%(▲2万円/11万円)と前期の増加率を上回る減少率となってしまうと説明している。

 エコカー補助金は9月末の終了予定だったが、8月下旬以降、補助金の申請が急増し申請総額が予算を超えたため、申請受付が終了した。すでに発表されている8月の自動車販売台数(含む軽乗用車)はエコカー補助金終了前の駆込み需要により前年比40.1%と極めて高い伸び(7月は同12.9%)を記録。このため、10~12月期には大規模な反動減が発生し、販売台数は一気に320万台程度(前期比▲37%減)へと急減することが予想される。

 反動減の多くは10~12月期に表われる。自動車は買替えサイクルが長く7~9月期の駆込みの中には2011年以降に購入するはずだった分も含まれていると考えられ、影響は1四半期では終わらない可能性が高いが、反動減は徐々に縮小し2011年1~3月期以降は反動減の縮小が個人消費の伸びを押し上げる方向に働く。また、エコカー減税が2012年3月末終了のため、2011年度末にかけて再び駆込み需要の発生が想定されるという。

 同レポートの全文は↓
 http://www.nli-research.co.jp/report/econo_letter/2010/we100917.pdf

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