2010年09月13日-4
8月企業倒産の負債総額が初の2000億円割れ

 帝国データバンクが発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、8月の倒産件数は964件、前年同月比は7.5%の減少となり、12ヵ月連続で前年同月を下回った。しかし、前月比は5.0%の増加となった上、前年同月比の減少率は2010年3月(▲5.6%)以来、5ヵ月ぶりの一ケタにとどまった。景気対応緊急保証制度や中小企業金融円滑化法などの金融支援策が一定の効果を上げ、倒産は沈静化が続いた。

 一方、負債総額は1692億3300万円となり、前月比は32.1%、前年同月比も38.5%の大幅減少となった。この結果、7ヵ月連続で前年同月を下回り、集計基準を法的整理のみに変更した2005年4月以降で初の2000億円割れとなった。負債額トップは、ジャスダック上場のアーム電子(東京都)で負債62億円にとどまった。負債100億円以上の大型倒産は0件と、集計基準変更後初めて発生しなかった。

 業種別にみると、5業種で前年同月を下回った。なかでも、小売業(133件、前年同月比▲31.4%)、不動産業(26件、同▲21.2%)、運輸・通信業(34件、同▲19.0%)など内需型の減少が目立った。一方、建設業(293件、同3.2%増)が5ヵ月ぶりに、サービス業(187件、同6.3%増)が6ヵ月ぶりにそれぞれ増加に転じるなど、長らく続いた減少基調に変化の兆しも出てきた。

 負債額別にみると、負債5000万円未満の倒産は485件発生、前年同月を6.1%上回り、唯一の増加となった。構成比は50.3%。一方、負債100億円以上の倒産は上記のように集計基準変更後初めて発生しなかった。資本金別にみると、個人経営と資本金1000万円未満の倒産が525件発生、構成比は54.5%を占めた。中小企業は961件で全体の99.7%、小規模企業も845件で同87.7%を占めるなど、小規模倒産は高水準で推移した。

 同倒産状況の詳細は↓
 http://www.tdb.co.jp/report/tosan/syukei/1008.html

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