2010年09月09日-3
新興国企業が出資する日本企業、5年間で1.5倍に

 帝国データバンクがこのほど発表した「新興国企業による日本企業への出資実態調査」結果によると、インドやブラジル、ロシアなどの新興国11ヵ国(中国を除く)の企業が出資する日本企業は、8月時点で120社判明した。5年前の82社に比べて46.3%増となり、この5年間で約1.5倍に増えている。日本における事業拠点として国内に100%出資の子会社を設立するケースが半数を占める。

 国別にみると、調査対象とした11ヵ国中「インド」が38社と全体の3割強を占めてトップ、次いで「タイ」の27社、「マレーシア」の22社が続いた。業種別では、「卸売業」が50社と4割強を占めてトップ。食品、医薬品、化学製品、貴金属等を扱う貿易会社が目立った。業歴40年を超える老舗の医薬品製造・卸業者は、業績低迷が続くなか、3年前にインド企業の傘下に入り、現在では同社日本法人として活動している。

 卸売業の次に「サービス業」(36社)が続き、このうち3分の2をソフトウェア業者が占めた。設立から5年も満たない都内のソフト開発業者は、フィリピン企業との合併で設立され、同社からの受託案件を中心に事業を展開している。また、年商規模別にみると、「1億円以上10億円未満」が41社(構成比45.1%)でトップ、次いで「10億円以上100億円未満」が28社(同30.8%)で続いた。

 なお、帝国データバンクが7月8日に発表した「中国企業による日本企業への出資実態調査」によると、中国企業が出資する日本企業は611社で、5年前に比べて約2.5倍に急増していることが分かった。今回調査対象としたインド、ロシア、ブラジルなどの新興11ヵ国の合計と比べても、出資企業数(120社)、伸び率(約1.5倍)ともに大きく引き離しており、中国企業の積極的な“日本買い”の現状を強く印象付けている。

 同出資実態調査結果の詳細は↓
 http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p100901.pdf

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