2010年09月06日-4
急激な円高で自社の収益に「すでに影響」が7割強

 大阪商工会議所が同所会員で「貿易関係証明」に登録している輸出関連企業を対象に実施した「円高が企業経営に及ぼす影響に関する緊急調査」結果(有効回答数429社)によると、今回の急激な円高によって自社の収益に「すでに影響が出ている」とする企業が73.7%と7割強を占めた。「今のところ影響は出ていないが、今後1~3ヵ月程度現在の円高水準が続けば影響が出る」と予想する企業も計18.6%と2割弱あった。

 自社の為替採算レートについては、「91~95円」が33.8%、「96~100円」が25.6%で続く。現在の円・ドル水準である「80~85円」を採算レートとする企業は3.5%に過ぎない。1ドル=85円程度の為替水準が続いた場合、2011年3月期決算の当初予想に比べた変化の見込みは、「2割超~3割の減益」が20.7%で最多、次いで「1割超~2割の減益」が13.8%など、3月に決算期を迎える企業のうち、「減益」は62.7%を占めた。

 円高によるマイナスの影響を緩和するための対策(複数回答)については、「輸入ビジネスの強化」が31.7%でもっとも多く、次いで「新しい輸出市場の開拓」(30.5%)、「人件費以外のコスト削減」(30.5%)、「人件費の削減」(23.1%)、「海外における生産体制の強化」(20.3%)が続き、新規事業開拓とコストカットの双方で乗り切ろうとする企業の姿が浮き彫りとなった。「マイナスの影響は出ないと考えている」は7.5%。

 政府・日銀に求める景気・円高対策(3つまで回答)については、「為替介入による円高抑止・為替相場の安定」が7割弱(67.8%)でトップ、次いで「金融緩和策の強化による円高抑止・為替相場の安定」(66.6%)が続いており、円高自体の抑止を求める声が強い。このほか、「企業の税負担の軽減(法人税率の引下げ/投資減税など)」(44.8%)や「消費刺激策の継続・強化」(21.4%)が目立っている。

 同緊急調査結果の詳細は↓
 http://www.osaka.cci.or.jp/Chousa_Kenkyuu_Iken/press/100902yk.pdf

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