2010年09月06日-2
会社員の貯蓄額、収入減のなかで増加傾向

 インテリジェンスが運営する転職サービス「DODA(デューダ)」が、関東・関西・東海エリアの25~34歳のビジネスパーソン5000人を対象に実施した「2010年版貯蓄額調査」結果によると、昨年と比べた貯蓄額が「増えた」との回答が34.2%と、「減った」(25.6%)との回答を上回り、全体としては貯蓄額が増加傾向にあることが分かった。「変わらない」が40.1%あり、「増えた」と合わせると7割強を占める。

 現在の貯蓄額については、「50万円未満」が20.0%で最多、次いで「100~200万円」(16.8%)、「200~300万円」(13.8%)となった。DODAが行った「平均年収調査2009~2010」では、前年と比べ、25~29歳で8万円、30~34歳で9万円の減額。収入は減少基調にあるとみられたものの、貯蓄額は現状維持、もしくは増加している人が多く、収入とは相反する結果となった。

 貯蓄額が増えた人のその理由については、「定期預金をした」との回答が最多となった。「毎月、天引きで3万円貯金するように設定してボーナス時はさらに50万円増やした」(27歳/女性/事務職)といったコメントのように、毎月の給与からコツコツと貯蓄を続けている人が大半を占めた。次いで多かったのは「投資をした」という回答。賢く資産を増やしているビジネスパーソンも増えているようだ。

 僅差で続いたのは「外食をしない」、「節約」などであり、男女ともに、日々の節約に努める回答が多数見受けられる。回答の多くに「毎日」、「毎月」というキーワードが登場しており、地道な節約の積み重ねが貯蓄を増やしたことが分かる。しかし、「お弁当・水筒持参」、「ジム通いのかわりに近所をジョギング」といった節約術は一種のブームともなり、実践している人に悲壮感はない。

 バブル崩壊後から2000年代前半まで続いた不況、就職氷河期。社会に出てすぐ厳しい世の中の洗礼にあった今の25~34歳のビジネスパーソンは、その時代を上手に生きる逞しさと適応能力を身に付けているようだ。一方、「マイホーム」、「結婚」といった将来の目的に備えた貯蓄という回答はほとんどみられず、毎月コツコツ貯蓄している人も、漠然とした将来への不安に備える行動のようだ。

 同調査結果の概要は↓
 http://www.inte.co.jp/corporate/library/survey/data/20100831.pdf

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