日本商工会議所が実施した商工会議所LOBO(早期景気観測)8月調査結果によると、8月の全産業合計の業況DI(前年同月比、「好転」-「悪化」)は、▲37.7(前月比+2.0ポイント)と、猛暑による一部商品の売上増加などの好影響もあり、2ヵ月連続でマイナス幅が縮小した。業況は持直しの動きがみられるが、主要因の猛暑特需によるものを除くとほぼ横ばいであり、6月以降改善の動きは鈍化している。
景気回復の自律性は依然として乏しく、競争激化に伴う低価格での受注や、消費者の低価格志向を意識した値下げ競争により、収益確保は難しい状況が続いている。業種別では、卸売業はマイナス幅が若干拡大したものの、製造業はほぼ横ばい、猛暑の影響で飲料やエアコンなど夏物商品の売上が増加した小売業、サービス業はマイナス幅が縮小した。一方、公共・民間工事ともに受注の減少が続いている建設業は、低水準で推移している。
項目別では、全産業合計の売上DI(前年同月比、「増加」-「減少」)が▲30.2(前月比+3.7ポイント)と、8ヵ月連続でマイナス幅が縮小し、猛暑による好影響で2008年3月以来の水準を記録した。そのほか、採算DI(前年同月比、「好転」-「悪化」)は▲34.8(前月比+1.0ポイント)、資金繰りDI(同)が▲23.2(同+1.4ポイント)と、ともに8ヵ月連続でマイナス幅が縮小するなど、すべての項目でマイナス幅が縮小した。
向こう3ヵ月(9~11月)の先行き見通しについては、全産業合計の業況DI(今月比ベース)は▲37.2と、前月に比べ▲2.5ポイントとなり、8ヵ月ぶりにマイナス幅が拡大した。公共工事の減少、低価格での受注競争の激化、経済対策(エコカー補助金)の期限切れによる自動車販売の落込みの見通しに加え、製造業を中心に円高の悪影響を懸念する声が多く出ており、先行きへの警戒感が強まっている。
同調査結果の詳細は↓
http://www.jcci.or.jp/lobo/LOBO201008.pdf