2010年09月01日-2
10年上半期の最も怖いニュースは「世界金融不安」

 三菱総研がこのほど発表した「第5回市民のリスク意識調査」結果(有効回答数1032人)によると、2010年上半期の最も怖いと感じたニュース(3つまで選択)は、「世界金融不安」が12.3%、「広島県工場内自動車暴走12人殺傷事件」が12.0%、「雇用情勢の悪化」が11.3%の順となった。ただし、「特にない」(8.4%)との回答割合が過去の調査と比べかなり高く、今年上半期は「怖いと感じたニュース」が例年より少ないとみられる。

 また、市民個人が最も脅威と感じるリスク(3つまで選択)については、「自然災害の発生」が44.0%で最も高く、2009年12月の第4回調査に比べ9.8ポイントも増加した。ゲリラ豪雨などの気候変動に伴う極端現象の増加などが「自然災害の発生」に関する危機意識の高まりに寄与した可能性もあるが、他のリスクの数値が低下したため、相対的に上昇したという可能性もあるとみられている。

 国家として脅威を感じるリスク(3つまで選択)では、市民個人が脅威と感じるリスクと同様に、「自然災害の発生」が27.8%で最も高く、第4回調査結果から11.0ポイントも高くなっている。一方で、3位の「政情不安」は13.8%で同5.2ポイント低下。2位の「テロ」は同0.6ポイント減の14.4%に、5位の「大規模感染症の発生」は同0.2ポイント減の7.5%に、それぞれ微減している。4位は「金融破たん」で10.9%。

 様々な脅威に対する個人の対策実施状況をみると、最も多くの人が対策を講じている「病気やけが(災害や事故を除く)」においても41.3%にとどまり、個人による対策実施には課題や限界があるようだ。4位の「大規模感染症の発生」については、第1回調査(08年8月)の12.5%から第3回調査(09年6月)で26.9%と倍増したが、今回の調査でも27.6%と減少しておらず、対策を実施する意識がある程度定着しているとみられている。

 同意識調査結果の詳細は↓
 http://www.mri.co.jp/NEWS/press/2010/__icsFiles/afieldfile/2010/08/26/pr20100826_ssu02.pdf

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