2010年08月26日-3
日本の成長機会確保に海外市場の開拓が重要と分析

 JETRO(ジェトロ)はこのほど、「2010年版ジェトロ世界貿易投資報告」を発表した。金融危機の影響で、2009年の世界の貿易と直接投資はともに前年実績を大幅に下回ったが、2010年に入り回復傾向にある。また、世界の自由貿易協定(FTA)動向など通商分野に加え、今後大きなビジネスチャンスになると期待できる新興国の中・低所得層や地方圏の消費市場、サービス分野と環境・インフラ分野に着目した分析を行っている。

 日本企業が成長機会を確保するには、従来以上に海外市場の開拓が重要。ターゲットは高所得層から中・低所得層へ、大都市圏から中堅都市、地方へと広がりをみせつつあるが、欧米や中国、韓国企業との競争が激化、日本企業は現地ニーズの的確な把握や地域特性に適合した製品・サービスの投入、第三国企業の活用等の戦略に、「高品質で耐久性に優れる」、「安心・安全」という日本製品の強みを明確に打ち出していくことがポイントになる。

 製造業に加え、海外のサービス産業にも商機は眠っており、中国やベトナム等アジアのサービス産業の進展度合いは、総じて未成熟な段階にある一方、サービス支出は年々増加傾向にあり、需給両面でアジアのサービス市場は成長の余地があるとしている。サービス産業の海外展開は相対的に出遅れ感が否めないが、海外でもコンビニの付加価値サービスや美容サービスなど、日本的サービスに対する潜在的なニーズは存在すると分析している。

 また、人口が拡大し続けるBRICsや新興国での膨大なニーズを背景に、アジアを中心として今後のインフラ整備事業は巨大な市場となると予測される。各国が環境と成長の両立を推進する政策をとっており、環境ビジネスも着実に拡大しており、水ビジネス、高速鉄道、都市交通などの運輸インフラ、再生可能エネルギーなどの分野で、日本企業は官や内外企業と連携して対応し、存在感を高めていくことが期待される、と結んでいる。

 同投資報告の詳細は↓
 http://www.jetro.go.jp/biznews/world/4c722a2a65130

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