2010年08月25日-1
「街角景気で読む猛暑効果」を拾うと

 今年は気温35度以上の猛暑日続きで、処暑を過ぎてからの残暑もキツく、まさに地球温暖化の脅威を実感する毎日だが、日本経済を考える上では夏は夏らしく暑く、冬は冬らしく寒いのが景気には一番との説もある。「夏将軍」の威力は馬鹿にならない。果たしてどの程度の景気浮揚効果があるのか。双日総合研究所が機関誌「溜池通信」で景気ウォッチャー調査の7月分からコメントを拾っている。

 まずは良い話から。「エアコンの売れ行きが良い。アナログの停波まで1年を切り、デジタルテレビの動きも良くなっている」、「海外旅行が復活傾向にある。円高の影響と、前年の新型インフルエンザで海外旅行を自粛していたが、今年は活発化している」、「中国人のビザ発給要件の緩和や東南アジア各国の景気向上等の要因から、今後は北海道を訪れる観光客が増加する」、「例年より土用丑の日の注文が入っている」など。

 ところが、以下のような鋭い指摘もある。「月後半からの猛暑により、冷菓やドリンク類の売上は増加したが、あくまで一時的な好調にとどまる」、「弁当類などの低価格化も進んでおり、景気が良くなっている感はない」、「予約が入りにくい天候が続き、2~3ヵ月先の予約数は若干悪くなってきている」、「10 月からのたばこの値上げ前の特需は期待できるものの、全般的に変動する要因が見当たらない」。

 「さすがは『街角景気』で、今の日本経済の雰囲気をよく捉えている」としている。7月の現状判断DIは、3ヵ月ぶりの上昇となった4月のピーク時と同じ 49.8 であり、そして先行き判断は、前月比1.7 ポイント低下の 46.6 という結果。まとめて言えば、「暑さのお陰で今はいいけれども、本格的に良くなっているわけではないし、先行きにはあまり楽しみがないというのが結論のよう」とまとめている。

「溜池通信」の全文は↓
 http://www.sojitz-soken.com/jp/send/tameike/pdf/tame450.pdf

ウィンドウを閉じる