2010年08月19日-4
「食品偽装」倒産は2008年が21件で最多

 東京商工リサーチがこのほど発表した「コンプライアンス違反倒産(食品偽装)」状況調査結果によると、「食品偽装」を主因にした倒産は、2000年1月から2010年7月までに累計71件あった。年別にみると、2000年と01年は0件、02年から06年も2件~6件だったが、「偽装」に対する消費者の目が厳しくなった07年は13件に急増、08年は21件とピークを迎えた。その後、09年は12件に減少し、2010年は3件と落ち着きをみせている。

 偽装発覚から倒産までの平均月数は、20004年発覚企業が23.5ヵ月、05年25.1ヵ月、06年14.1ヵ月と、06年以前は偽装発覚から1年以上を持ちこたえていた。しかし、消費者の目が厳しくなった07年に入ると3.6ヵ月と急速に短縮化し、08年が最短で3.5ヵ月、09年も5.8ヵ月と、平均すると発覚から半年以内に倒産する企業が続出。いかなる「食品偽装」でも、消費者を欺く行為を行うと、即倒産につながる現実が浮き彫りとなった。

 偽装の原因となった食品を2000年からの累計でみると、「牛肉」の13件がトップ。02年以降、BSE対策の一環だった補助金目的の産地偽装や、07年に発生したミートホープ(苫小牧市)の混合ひき肉の偽装があった。次いで「米」が11件。03年ごろに銘柄を偽ったケースが散見され、08年の三笠フーズの事故米事件も急増した。以下、「タケノコ」9件、「健康食品」5件、「ウナギ」4件と続いた。

 偽装内容では、「産地の偽装」が最多。BSE問題の輸入牛肉を国産牛肉に偽装したり、国産に海外産を混合したケースで、ウナギやタケノコなどでは、安価な中国産や台湾産の国産への偽装も相次いだ。国産の食品でも、産地不明の国産牛を米沢牛と偽る生産地偽装もあった。次いで多かった「表示の偽装」では、事実と異なる効用をうたった表示や偽ラベルを使用したものが目立った。また、「原料の偽装」や「賞味期限の偽装」も多い。

 同調査結果の詳細は↓
 http://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/2010/1204478_1612.html

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