2010年08月18日-2
08年度情報処理関係経費、企業業績悪化で減少

 経済産業省が、資本金3000万円以上及び従業員50人以上の民間企業9500社を対象に実施した「2009年情報処理実態調査」結果によると、2008年度の「一社平均の情報処理関係諸経費」は、企業業績悪化などの影響から、前年度比▲7.8%の7億3640億円と2年ぶりに減少した。しかし、「対年間事業収入比」は、前年度差+0.2ポイントの1.2%と上昇し、下げ止まりの兆しを示した。業種別では製造業が▲11.4%と大きく減少している。

 2008年度の情報システムを構築している企業の取組状況をみると、「新規システム構築またはシステム再構築を行っている」企業の割合は、前年度差▲4.9ポイントの40.9%と、2年ぶりに低下した。また、2009年度以降の取組み予定をみると、「新規システム構築またはシステム再構築の予定がある」と回答した企業の割合は48.7%と取組み実績を上回り、今後新規システム構築やシステム再構築の動きが拡大に向かう兆候を示している。

 情報基盤強化税制の利用状況をみると、2008年度同制度を利用した企業における一社平均の「税額控除額」、「繰越額」はそれぞれ2700万円、1280万円で、両者をあわせた「税額控除計」は前年度比+26.3%の3980万円。また、「特別償却額」は同▲6.7%の3220万円だった。情報基盤強化税制は、運輸業・郵便業、映像・音声情報制作・放送・通信業、電気・ガス・熱供給・水道業など、主にインフラ関連業種で利用が進んでいる。

 ITへの取組みの鈍化はIT組織面でも現れ、「CIO(情報システム統括役員)設置率」(「専任者がいる」または「兼任者がいる」のいずれかを回答した企業の割合)は前年度差▲3.0ポイントの35.1%と2年ぶりに低下した。また、「IT人材育成実施率」(IT要員または一般社員向けにIT教育・研修を実施している企業の割合)も、情報処理関係支出の抑制などの影響から、同▲3.3ポイントの44.5%と低下した。

 同実態調査結果の概要は↓
 http://www.meti.go.jp/press/20100812007/20100812007-2.pdf

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