2010年08月16日-4
7月企業倒産918件、11ヵ月連続の前年同月比減少

 帝国データバンクがこのほど発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、7月の倒産件数は918件で、前月比は15.4%、前年同月比でも23.8%の大幅減少となり、11ヵ月連続で前年同月を下回った。前年同月比の減少率23.8%は2010年1月の17.9%を上回り、集計基準を法的整理のみに変更した2005年4月以降で最大となった。また、同減少率は、4月(17.7%)から4ヵ月連続二ケタ台の高水準。

 この要因・背景としては、(1)国内景気の緩やかな回復を受け、卸売業(128件、前年同月比29.7%減)、サービス業(164件、同27.8%減)、製造業(139件、同24.0%減)で減少が目立つ、(2)建設業(245件、同23.4%減)の減少が続き、中国(24件、同35.1%減)、四国(17件、同57.5%減)などの地方圏で大幅減少、(3)法改正による課税リスクが生じる10月前に、特別清算が33件(前年同月17件)、などがある。

 一方、負債総額は2493億5700万円となり、前月比は12.1%、前年同月比も26.8%の減少となり、6ヵ月連続で前年同月を下回った。この結果、2009年10月の2513億9400万円を下回り、集計基準変更後で最少を記録した。負債額トップは、写真付き切手など企画販売のプレジール(東京都)で負債150億円。負債100億円以上の大型倒産は5件発生したものの、2009年5月の6件以降、15ヵ月連続で一ケタ台にとどまった。

 負債額別にみると、負債5000万円未満の零細企業の倒産は475件発生、構成比は51.7%で2010年5月の50.7%を上回り、集計基準変更後で最高となった。一方、負債100億円以上の倒産は上記のように5件にとどまった。資本金別にみると、個人経営と資本金1000万円未満の倒産が486件発生、構成比は52.9%を占めた。中小企業は916件で全体の99.8%、小規模企業も798件で同86.9%を占めるなど、小規模倒産は高水準で推移した。

 同倒産状況の詳細は↓
 http://www.tdb.co.jp/report/tosan/syukei/1007.html

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