2010年08月09日-2
死亡後も現況届出を出して年金受給のケースを調査

 東京都足立区や杉並区で都内最高齢者とされる男女の所在不明などが発覚したことをきっかけに、各自治体が100歳以上のお年寄りの安否確認に追われている。高齢化が急速に進行する一方、個人情報保護の流れなどが行政の壁となっており、長寿社会への早急な対応が迫られているが、厚生労働省では、死亡しているにもかかわらず現況届を出して年金を受給しているケースに係るサンプル調査をすでに実施している。

 サンプル調査は、受給権者が死亡しているにもかかわらず現況届を出して年金を受給しているケースがないかを把握するため、本年6月から実施している。調査対象は、現況届の提出者のうち、4月生まれの年金受給権者(約1万6000人)であって、85歳以上の人から840人を無作為抽出し、日本年金機構の年金事務所職員による訪問調査を行い、本人に面談の上、聴き取りを行った。

 年金受給権者の生存確認については、住基法に基づく死亡届の情報を住基ネットワークから提供を受けることにより行われているため、2006年12月からは、原則として現況届の提出が不要とされている。しかし、住基ネットワークに参加していない市町在住者、外国籍(外国人登録)の人、外国に住んでいる人、については、引き続き現況届の提出を求めている。ちなみに、2008年度の現況届発想件数は約163万件。

 また、日本年金機構が管理している年金受給者の基本情報(氏名、生年月日、性別、住所)が住基ネットに保存されている基本情報と異なる人もいる。例えば、施設入居等のため年金原簿の登録住所と住民票の登録地が違っている、介護が必要となり子供等と同居するため年金原簿の住所は異動したが、都合により住民票はそのままにしているケースがあり、こういう人々には現況届の提出を求めている。同省では、近く調査結果を公表する。

ウィンドウを閉じる