2010年08月09日-1
新卒採用、企業の「満足度」前年比8.0ポイント低下

 人材コンサルティングのディスコが7月に実施した「2011年3月卒業予定者等の採用活動に関する調査」結果(有効回答数1156社)によると、採用の満足度については、「質・量ともに満足」が総合で34.3%と最多となったものの、前年から8.0ポイント低下した。採用属性別にみると、特に「大学院了」(37.2%)が16ポイント減、「大卒理系」(30.4%)が9.6ポイント減、「短大卒」(29.0%)が11.6ポイント減と大きく低下した。

 この「質・量ともに満足」の減少傾向は、すべての採用属性に共通している。外需系の製造業を中心とした技術者採用の回復が、質・量の両面にわたる理系の“不足感”を生んだことや、また買い手市場を背景に、特定層の学生をターゲットとしたものの、実際には企業間の獲得競争が激しく、採用活動を思うように進められなかったことなどが、満足感低下の理由に考えられると分析している。

 7月上旬の調査時点での採用予定数に対する内定者の割合、いわゆる「充足率」は、全属性の総合で約7.9割と、前年同期(約8.0割)を若干下回った。また、7月以降の採用活動の予定について、「今年の採用活動は基本的に終了」とする企業が前年の59.4%から49.7%へと10ポイント近く減少した。一方、「現在の母集団に対し引き続き行う」、「秋採用・通年採用等として新たに募集する」企業の割合がいずれも1.5倍に増えている。

 就職浪人生(学校を卒業してなお就職を志している者)への対応について、5月調査に引き続き聞いたところ、「以前から受け付けている」企業は全体の41.5%だった。「今年度初めて受け付けた」(3.8%)を合わせると、半数近い企業が就職浪人生に門戸を開いていることになる。「今年初めて受け付けた」理由としてもっとも多かったのは「採用基準を満たす者がいる可能性があるため」(55.3%)だった。

 同調査結果の詳細は↓
 http://web.disc.co.jp/topics/11saiyouJuly_20100802.pdf

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