厚生労働省が発表した毎月勤労統計調査結果速報によると、６月の従業員５人以上の事業所における一人平均現金給与総額は、前年同月比1.5％増の43万7677円と、４ヵ月連続で前年同月を上回った。基本給にあたる所定内給与は0.2％減の24万6239円と23ヵ月連続で減少したが、賞与など特別に支払われた給与が3.3％増の17万3851円と４ヵ月連続で増加、残業代などの所定外給与も11.6％増の１万7587円と６ヵ月連続で増加した。
この結果、所定内給与と所定外給与を合計したきまって支給する給与は、前年同月比0.4％増の26万3826円となり、23ヵ月ぶりに増加に転じた３月から４ヵ月連続で増加している。現金給与総額を就業形態別にみると、一般労働者は2.1％増の56万6153円、パートタイム労働者は0.7％増の９万9362円となった。なお、物価の高騰を計算に入れた実質賃金は2.4％増となり、６ヵ月連続で増加した。
また、６月の従業員５人以上の事業所の一人平均総実労働時間は、前年同月比0.7％増の151.1時間と６ヵ月連続で増加した。内訳は、所定内労働時間が0.1％増の141.5時間、所定外労働時間は9.2％増の9.6時間と、ともに６ヵ月連続の増加。製造業の所定外労働時間は、43.7％増の13.5時間と50％前後の大幅増加が５ヵ月続いており７ヵ月連続の増加。一般労働者は1.0％増の173.4時間、パート労働者は0.4％増の92.4時間となった。
一方、６月の従業員５人以上の事業所における常用労働者数は、前年同月比0.2％増の4419万８千人となり、５ヵ月連続の増加となった。パート労働者は1.7％増の1218万６千人で43ヵ月連続の増加となったが、正社員などの一般労働者は0.3％減の3201万２千人となり、16ヵ月連続の減少となった。主な産業では、製造業は0.8％減、卸売業、小売業は3.7％減、医療、福祉は3.6％増となった。