2010年08月02日-3
厳しい状況も持直しの動き、保証先中小企業の景況

 日本政策金融公庫が6月中旬に実施した「保証先中小企業金融動向調査」結果(有効回答数3669社)によると、同公庫の保証先中小企業の景況感は、厳しい状況ながら、持ち直しの動きがみられることが分かった。4~6月期実績の生産・売上DI(前期比、「増加」-「減少」、季節調整値)は、前期比4.4ポイント改善の▲31.3となり、2期連続で上昇し、マイナス幅がやや縮小した。

 従業員規模別では、「0~20人」が前期比4.8ポイント改善の▲34.7、「21人以上」が同8.5ポイント改善の▲21.1となった。また、採算DI(前期比、「好転」-「悪化」、季節調整値)は前期比3.1ポイント改善の▲37.5、資金繰りDI(同)は同3.7ポイント改善の▲35.4となり、ともに2期連続でマイナス幅が縮小した。借入難易感DI(前期比、「容易」-「困難」)は同6.7ポイント改善の▲20.8と、マイナス幅が縮小した。

 一方、4~6月期実績の保証利用企業の割合は、前期から1.0ポイント減の71.3%と5期連続で減少したものの、高水準で横ばいとなった。保証利用割合別にみると、「全額利用」の割合が同1.1ポイント減の52.6%だった。また、借入企業の割合は、同0.2ポイント減の34.0%と5期連続低下。1社あたりの平均借入金額は2456万円でほぼ横ばいで推移。借入金額別にみると、「1千万円超~5千万円」の金額層の割合が50.8%でやや増加した。

 資金使途(複数回答)をみると、「売上減少・赤字補てん資金」との割合が前期比3.4ポイント減の51.1%と2期連続で下降したほか、「既往借入の借換資金」が同0.7ポイント増の40.1%、「季節運転資金」が同横ばいの19.3%、「売上増加、運転資金」が同1.1ポイント増の15.7%などとなっている。なお、資金使途の構成は、「運転資金」が90.7%、「運転・設備資金」が4.7%、「設備資金」が4.5%。

 同動向調査結果の詳細は↓
 http://www.c.jfc.go.jp/jpn/result/hosyouyouyaku165.pdf

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