2010年07月29日-2
1ヵ月の残業は“残業なし~20時間未満”が約半数

 総合人材サービスのインテリジェンスが運営する転職サービス「DODA(デューダ)」が、関東・関西・中部在住の22~39歳の会社員を対象に実施した「ビジネスパーソンの残業時間実態調査」結果(有効回答数1000人)によると、1ヵ月の残業時間は、「まったく残業はない」が11.5%(前年12.1%)、「20時間未満」が36.2%(同36.0%)で、約半数の人は“残業なし~20時間未満”だった。

 以下、「20~40時間未満」が29.7%(前年28.3%)、「40~60時間未満」が12.9%(同15.4%)という結果になった。昨年調査からの大幅な変化はみられなかったものの、2010年4月に施行された改正労働基準法により、今後、どのような影響が現れるか注目される。男女別の結果では、“残業なし~20時間未満”が女性の64.0%を占めるのに対し、男性は40.3%。また「60時間以上」は、女性が4.6%、男性が12.1%と、男女で差がある。

 年代別の結果をみると、残業がもっとも多いのが「30代前半」で、昨年と比較して唯一、残業時間が増加している。社会人経験を7~10年積んだ30代前半は、中堅として第一線で活躍している層である。景気回復とともに企業が事業拡大など攻めの姿勢に転じるなか、この年代に任される仕事量が増えていると考えられる。中途採用市場でも、30代前半クラスの求人が最近増えており、この年代への期待が大きいことがうかがわれる。

 また、職種別の結果を昨年と比較したところ、「製造系」で、「まったく残業はない」という人が16.0%から8.1%に半減した。多くのメーカーで生産を抑制し、残業をカットした2009年から一転、2010年は、エコポイントや新興国需要の高まりによる生産ラインの再開で、残業時間も増加したことが分かる。「管理系」は昨年に比べ、全体的に残業が減り、“残業なし~20時間未満”の割合は、38.9%から58.9%に上昇した。

 一方、30代前半の中堅クラスの人は、残業が増えるという傾向がみられた。これは、管理部門の人員削減により、戦力として残った社員の業務量が増えたことが関係している。「営業系」と「IT系」は、他の職種に比べ、前年比で大きな変化はみられなかった。この2職種は、裁量労働制をとる企業が多く、景気や業績の変動による残業時間の調整がなされなかったと考えられている。

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