2010年07月15日-4
09年の新設法人数は前年比4.4%減少の9.6万社

 東京商工リサーチがこのほど発表した「2009年全国新設法人動向調査」結果によると、昨年1年間に全国で新たに設立された法人(新設法人)は、9万6458社となり、前年(10万870社)より4.4%減少したことが分かった。2008年9月のリーマン・ショックに端を発した世界同時不況で、深刻な景気悪化が起業意欲にも影響したとみられている。全体では資本金500万円以下が半数近くを占め、資本金1億円以上は455社にとどまった。

 2009年の新設法人の設立月別は、「4月」が1万598社(構成比11.0%)でもっとも多く、次いで「7月」が9058社(同9.4%)、「6月」8636社(同9.0%)、「10月」8475社(同8.8%)、「3月」8242社(同8.5%)の順。月間1万社以上となったのは「4月」だけで、新年度のスタートを設立月とする企業が多かった。これに対して、設立社数がもっとも少なかった月は「8月」の6919社(同7.2%)だった。

 都道府県別の社数では、「東京都」が2万8165社(構成比29.2%)でもっとも多く、次いで「大阪府」が8781社(同9.1%)、「神奈川県」6658社(同6.9%)、「愛知県」4788社(同5.0%)と、大都市が顔をそろえた。これに対し、新設法人がもっとも少なかったのは「鳥取県」の269社、次いで「島根県」の284社、「高知県」340社、「佐賀県」342社と地方都市が続いている。

 さらに、資本金別にみると、「100万円以上500万円未満」が4万4131社(構成比45.8%)と半数近くを占めた。これは、2006年5月の新会社法施行で最低資本金制度(株式会社1000万円、有限会社300万円)の撤廃が影響したとみられる。次いで「100万円未満」が1万8375社(同19.0%)と、小・零細規模で約65%を占めた。一方、「1億円以上」は455社(同0.5%)だった。

 法人格別では、「株式会社」が前年比7.0%減の8万626社(構成比83.6%)と全体の8割強を占め、「合同会社」が同7.5%増の5723社などだった。このほか、増加が目立った法人格では、2008年12月1日施行の「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」に基づいて誕生した「一般社団法人」が同610.5%増の2366社、「一般財団法人」が同487.8%増の288社、「医療法人」が41.9%増の857社などがある。

 同動向調査結果の詳細は↓
 http://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/2010/1203380_1612.html

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