2010年07月14日-2
6月企業倒産1085件、10ヵ月連続の前年同月比減少

 帝国データバンクがこのほど発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、6月の倒産件数は1085件で、前月比は23.4%の増加となったものの、集計基準変更後で最多となった前年同月に比べ16.2%の減少となった。10ヵ月連続で前年同月を下回ったものの、2010年3月以来、3ヵ月ぶりに1000件を超えた。前年同月比の減少率は、4月(17.7%)から3ヵ月連続二ケタ台の高水準。

 6月の倒産件数の要因・背景としては、(1)建設業(310件、前年同月比16.7%減少)が、最多件数となった前年同月の反動減も影響し、東北、北陸、中国、九州など地方圏で大幅に減少したこと、(2)負債5000万円未満の零細企業の倒産(523件)は前年同月比2.3%の増加だったこと、などがある。建設業では、土木工事(52件、前年同月比38.1%減)や木造建築工事(18件、59.1%減)などで減少が目立った。

 一方、負債総額は2837億2300万円となり、前月比は6.8%の減少、前年同月比も40.2%の大幅減少となり、5ヵ月連続で前年同月を下回った。これは、(1)負債額トップが、ロケット製造のギャラクシーエクスプレス(東京)の229億200万円だったこと、(2)負債100億円以上の大型倒産は4件発生にとどまり、2009年5月の6件以降、14ヵ月連続で一ケタ台にとどまったこと、などが要因・背景にある。

 負債額別にみると、負債5000万円未満の零細企業の倒産は523件発生し、構成比は48.2%を占めた。一方、負債100億円以上の大型倒産は、上記のように4件と、14ヵ月連続で一ケタの件数にとどまった。資本金別にみると、個人経営と資本金1000万円未満の倒産が550件発生、構成比は50.7%を占めた。中小企業は1084件で全体の99.9%、小規模企業も967件で同89.1%を占めるなど、小規模倒産は依然高水準で推移している。

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