2010年07月12日-3
経済の回復基調受け食の経済性志向が減少~日本公庫

 米国発金融危機に伴う世界同時不況も一段落し、経済が回復に向かいつつあるなかで、消費者意識はどう変化したかが注目される。日本政策金融公庫が、全国の20歳代から60歳代までの2000人を対象に実施した「消費者動向調査」結果によると、2008年から増加傾向にあった消費者の「経済性志向」、つまり財布の中身を見ながら食を節約する志向が今年1月に実施した前回調査をピークに減少に転じたことが分かった。

 今回の調査で際立った傾向を示したのは、デフレ経済のもとで高まっていた「経済性志向」が前回調査の43.2%から39.0%へと減少に転じたことだ。今後の食の志向を聞いた先行き予測でも42.6%から37.5%へと減少し、同じ傾向を示した。同時に「手作り志向」が39.5%から29.9%に急減、「簡便化志向」が23.5%から29.3%に増加しており、消費者の“節約疲れ”ともみられる動きが出ている。

 昨今の経済情勢を受けての食生活の変化では、経済回復の影響を受けて、「内食が増えた」とする層が、昼食では前回調査の27.6%から18.0%へ、夕食も38.5%から24.6%へと、ともに大きく減っているのが特徴。消費者の“節約疲れ”の問題ともからんでいる可能性がある。また、食品の購入量は、全体として依然減少しているが、減少幅は改善傾向にある。必需品の減少が小さい一方で、価格の高いものや嗜好品は減少幅が大きい。

 国産食品志向については、「輸入食品より価格が高くても国産品を選ぶ」という消費者は60.1%と全体の6割の水準を超えているが、一方で、「国産品へのこだわりはない」という層も調査を重ねるごとに増加傾向にあり、今回は前回調査から0.2ポイント増の12.4%となっている。他の品目に比べて国産志向が高いのは、「米」(77.4%)、「野菜」(67.0%)、「卵」(63.6%)など。「花(観賞用)」は60.0%が国産品へのこだわりがない。

 同調査結果の詳細は↓
 http://www.afc.jfc.go.jp/topics/pdf/topics_100707_1.pdf

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