2010年07月12日-2
中国企業出資の日本企業は約600社、5年で2.5倍

 中国企業による「日本買い」の動きが目立つ。一般に中国企業にとって日本のブランドや技術は希少価値がある上、日本企業にとっても中国の資金力と販路は魅力的だ。こうした動きに「人民元切上げ」が拍車をかける可能性もあり、今後が注目される。帝国データバンクが発表した「中国企業による日本企業への出資実態調査」結果によると、中国企業が出資する日本企業は611社判明した。5年前の233社に比べて約2.5倍に増加した。

 業種別にみると、「卸売業」が323社と全体の52.9%を占めトップ。電気機器を筆頭に、食品や繊維関係の貿易会社が目立った。年商5億円のある医薬品卸会社は、仕入先である台湾企業から取引関係強化のため出資を受け入れている。次いで「サービス業」が136社で続き、3社に1社をソフトウェア業者が占めた。このほか、「製造業」が69社ながら、5年前と比べ228.6%増と、「サービス業」(216.3%増)とともに3倍の社数となった。

 年商規模別にみると、「1億円以上10億円未満」が202社と全体の5割近くを占めてトップとなり、中国企業による日本企業への出資のほぼ半数をこれら中小企業が占めた。設立間もない都内のあるベンチャー企業は、年商1000万円にも満たないが、台湾企業が展開する製品を日本仕様に改め販売することを提案。同社との間で資本・業務提携関係を結ぶことに成功している。

 都道府県別にみると、「東京都」が387社と全体の63.3%を占めてトップ。2位の「大阪府」(56社)とは300社以上の開きがあり、突出して多かった。在阪のある工作機メーカーは、海外での豊富な実績と高い技術力が評価され、中国系投資会社から出資を受けている。以下、「神奈川県」の37社、「兵庫県」の19社、「愛知県」の16社、「埼玉県」の15社、「千葉県」の12社、「静岡県」の8社などの順となっている。

 同調査結果の詳細は↓
 http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p100702.pdf

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