2010年07月07日-2
09年度ペットビジネス市場は微増の1兆3706億円

 矢野経済研究所が実施した「ペットビジネスに関する調査」結果によると、2009年度のペット関連総市場規模は、小売金額ベースで前年度比1.3%増の1兆3706億円と推計した。ペットブームのなかで順調に市場規模を拡大させてきたが、2009年度は景況感の悪化により消費者の購買意欲が減退し、微増での推移にとどまった。2010年度も厳しい状況は続くとみられ、同市場は前年度比1%増の1兆3843億円と微増で推移すると予測している。

 ペット関連総市場規模の4割近くを占めるペットフード市場は、2009年度の市場規模が小売金額ベースで前年度比0.5%増の4091億円と推計した。今後の市場成長には単価が高く利益の取りやすいプレミアタイプの伸張が不可欠だが、エコノミータイプとプレミアタイプへの二極化が拡大している。また、“健康・機能性”や“グルメ”、“種別”といったフードに求めるニーズも多様化している。

 2009年度のペット用品市場規模は、小売金額ベースで前年度比0.8%増の2466億円と推計している。室内飼育向け商品がけん引役となり伸張していた同市場規模だが、2009年度はフードと同様に微増にとどまった。2008年度後半からの景気悪化により、衣服などの必需品でない分野での買い控えや消耗品の単価下落などが起きた一方で、“室内飼育”をキーワードにした新規カテゴリーは比較的堅調に推移した。

 ペットのコンパニオンアニマル化が進み、ペットをパートナーとして考え、共生を求める飼い主が増加している。そのなかで、衣・食・住・サービスなどあらゆる分野で様々な産業が創出・拡大され、ペット周辺産業市場の成長の原動力となっている。矢野経済研では、今後も当面は近年のトレンドである“小型犬”、“高齢化”、“室内飼育”、“コンパニオンアニマル”をキーワードとしたビジネス展開が続く、との見通しを示している。

 同調査結果の概要は↓
 http://www.yano.co.jp/press/pdf/630.pdf

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