2010年07月05日-4
業況持ち直すも中小企業は収益確保に腐心~東商

 日本商工会議所が実施した6月期の「早期景気観測調査」結果によると、全産業(408会議所、2653業種組合)の業況DI(前年同月比、「好転」-「悪化」は▲40.5と、前月(▲39.7)からほぼ横ばいで推移した。業況は、持ち直しの動きが続いているものの、先月まで続いていた改善の勢いに一服感が出ている。競争激化による低価格での受注確保や、消費者の低価格志向を意識した値下げ競争により、収益確保は難しい状況が続いている。
 
 先行きについては▲35.3(前月比+1.2ポイント)と、6ヵ月連続でマイナス幅が縮小した。製造業とサービス業は前月比でほぼ横ばいだったが、建設業、卸売業、小売業のマイナス幅が縮小した。受注や来客数の増加など好転の兆しが見えるため、先行きに期待する声が多い。しかし、一部原材料価格の上昇・高止まりや公共工事の減少、宮崎県における口蹄疫の影響が今後の懸念材料となっており、その見通しには慎重な声が多い。

 項目別にみると、売上面では、全産業合計の売上DIは▲34.1(前月比+2.3ポイント)と、6ヵ月連続でマイナス幅が縮小。業種別にみても、サービス業はマイナス幅が拡大したものの、他の4業種は縮小した。採算面では、全産業合計の採算DIは▲37.4(前月比+1.4ポイント)と、6カ月連続でマイナス幅が縮小した。業種別では建設業と製造業はほぼ横ばい。小売業はマイナス幅が縮小したものの、卸売業、サービス業業種は拡大した。

 資金繰り面では、全産業合計の資金繰りDIは▲26.4(前月比+1.3ポイント)となり、マイナス幅は6ヵ月連続で縮小。業種別にみても、サービス業はマイナス幅が拡大したものの、建設業と製造業はほぼ横ばい、他の2業種は縮小した。仕入価格面では、全産業合計の仕入単価DIは、▲18.3と、5ヵ月ぶりに上昇感が弱まった。産業別にみても、建設業はマイナス幅が拡大したものの、製造業はほぼ横ばい、他の3業種は縮小した。

 同調査結果の詳細は↓
 http://www.jcci.or.jp/lobo/LOBO201006.pdf

ウィンドウを閉じる