2010年07月05日-3
失業率5.2%、3ヵ月連続で上昇~労働力調査

 総務省がこのほど発表した2010年5月分労働力調査結果によると、5月の完全失業率は前月から0.1ポイント上昇し5.2%となった。失業率は2009年7月に過去最悪の5.6%を記録した後、2010年1月、2月には4.9%まで低下したが、3月以降3ヵ月連続で上昇している。 雇用者数は、前年比▲0.4%(4月:同▲0.2%)と2ヵ月連続で減少。雇用者数は5417万人(前月比▲25万人)、失業者数は347万人(前年と同水準)となった。

 雇用者数の内訳を産業別にみると、製造業の雇用者数は前年に比べ▲24万人減の996万人と16ヵ月連続で減少。減少幅はピーク時(2009年8月の▲106万人減)に比べると大きく縮小しているが、鉱工業生産の水準が依然としてピーク時の8割強にとどまっているため、製造業の雇用が増加に転じるまでにはまだ時間がかかるとみられる。また、公共工事削減の影響などから、建設業が同▲20万人減の397万人と4ヵ月連続で減少した。

 これに対し、厚生労働省が公表した一般職業紹介状況によると、5月の有効求人倍率は前月比0.02ポイント上昇し0.50倍となった。有効求職者数が前月比▲0.2%と2ヵ月連続で減少する一方、有効求人数が前月比3.5%と2ヵ月ぶりに増加した。一方、有効求人倍率の先行指標である新規求人倍率は、新規求人数が前月比▲1.3%と3ヵ月ぶりに減少したことなどから、0.83倍(4月:0.88倍)と前月よりも0.05ポイント低下した。

 都道府県別の有効求人倍率を見ると、もっとも高いのは「群馬県」の0.77倍、もっとも低いのは「沖縄県」の0.30倍となっている。ちなみに「東京都」は0.62。労働需給は緩やかな改善が続いているものの、企業の採用意欲は引き続き弱い。このため、先行きの有効求人倍率の改善ペースは非常に緩やかなものにとどまり、失業率は当面5%程度での推移が続く可能性が高いとみられている。

 労働力調査の詳細は↓
 http://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/pdf/05400.pdf

 一般職業紹介状況の詳細は↓
 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000000780o-img/2r98520000007864.pdf

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