2010年07月01日-1
会社の選択基準、「就社」から「就職」へ

 日本生産性本部が実施した「2010年度新入社員『働くことの意識』調査」結果(有効回答数2663人)によると、就職先の会社を選ぶときに最重視した要因は、「自分の能力、個性が生かせるから」が34.8%で最多、次いで「仕事がおもしろいから」(24.8%)、「技術が覚えられるから」(9.0%)が上位を占めた。このような個人の能力、技能ないし興味に関する項目に比べて、勤務先の企業に関連する項目の数値は低い。

 例えば、「経営者に魅力を感じたから」は6.2%、「一流会社だから」3.5%、「福利厚生施設が充実しているから」1.1%などとなっており、終身雇用制の後退を背景とする、昨今の「就社」より「就職」という傾向を反映しているとみられている。会社選択の要因の経年変化で興味深いのは、1971(昭和46)年度にトップに挙げられていた「会社の将来性」が、一ケタ台にまで落込み8.3%にまで減少したことだ。

 就職活動で利用された情報源では、利用度の高い順に「会社説明会」(90.3%)、「インターネットの企業ホームページ」(89.6%)、「インターネットの就職関連サイト」(86.0%)、「企業が用意した採用案内パンフレット」(84.7%)、「民間会社発行の就職情報誌など」が上位になった。ここ2年「インターネットの企業ホームページ」が1位だったが、今年は昨年2位だった「会社説明会」が1位に復活した。

 一方、仕事中心か会社中心かについては、「仕事と生活の両立」が82.8%と大多数を占め、「仕事中心」(9.2%)、「生活中心」(7.9%)を大きく上回った。また、デートの約束があったときに残業を命じられた場合、「デートをやめて仕事」が85.3%、「断ってデート」が14.2%と、プライベートな生活よりも仕事を優先する意向がうかがえる。この「仕事」との回答は、男性(81.9%)よりも女性(88.8%)のほうが多い。

 同調査結果の詳細は↓
 http://activity.jpc-net.jp/detail/lrw/activity000985/attached.pdf

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