2010年06月30日-2
5月の商業販売統計、小売業5ヵ月ぶりに減少

 経済産業省が28日に発表した2010年5月の商業販売統計速報によると、5月の小売業販売額は、前年同月比2.8%増の11兆440億円と、5ヵ月続けて増加したものの、季節調整済前月比では▲2.0%と5ヵ月ぶりの減少となった。物価変動の影響を除いた実質値では前年比3.1%増と、12ヵ月連続の増加となったが、前月に比べて伸びは縮小している。

 業種別では、「飲食料品小売業」が前年同月比▲0.4%と5ヵ月ぶりに減少するなど、7業種中3業種で減少。また、「自動車小売業」が同13.3%増、「機械器具小売業」が同5.8%増と高い伸びを維持したものの、エコカー減税、エコポイントなどの政策効果が一巡しつつあることから増加幅は前月から縮小した。寄与度別では、自動車小売業が1.4%、燃料小売業が1.7%、機械器具小売業が0.3%消費を押し上げた。

 大型小売店の販売額は1兆5631億円、既存店ベースで前年同月比▲4.0%と、26ヵ月連続で前年を下回ったが、下げ止まりつつある。商品別にみると、「紳士服・洋品」が同▲2.9%、「婦人・子供服・洋品」が同▲1.8%など、衣料品全体で若干減少幅が縮小(4月:同▲6.5%⇒5月:同▲2.5%)した。コンビニエンスストア販売額(商品販売額及びサービス売上高)は6703億円、同▲0.8%(全店ベース)と11ヵ月連続で減少した。

 最近の個人消費は回復基調を維持しているものの、エコポイント、エコカー減税等の政策効果が一巡しつつあり、回復ペースはやや鈍化しつつある。先行きについては、政策効果が薄まることが懸念されるものの、消費者態度指数が5ヵ月連続して上昇するなど、消費者マインドが改善傾向にあること、雇用・所得環境に改善の兆しが見え始めていること、子ども手当の支給で消費押上げが見込まれ、ゆるやかな回復が続く公算が大きい。

 同統計速報の概要は↓
 http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/syoudou/result/pdf/h2sapdfj.pdf

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