2010年06月30日-1
電子書籍の利用意向、約18ポイント増の64%

 iPadの発売以降、一気に身近な存在となった“電子書籍”だが、利用意向者が飛躍的に伸びているようだ。楽天リサーチが全国の20~69歳の男女1000人を対象に実施した「電子書籍に関する調査」結果によると、電子書籍の利用意向は、「利用したこともあるし、今後も利用したい」が10.8%、「利用したことはないが、今後利用したい」が53.5%と、利用意向者の合計は64.3%と、昨年9月の前回調査より17.9ポイント増加した。

 電子書籍を利用したい理由(複数回答)は、「何冊も書籍を持ち運ぶ必要がなく、手軽になる」が64.5%とトップ、次いで「すぐに欲しい書籍を購入し、手元にダウンロードできる」が52.4%、「1冊あたりの単価が下がり、購入コストを抑えられるようになると思う」が48.4%など。一方で、利用したくない理由(同)は、「電子画面で文字を読むのが疲れる」が61.3%、「紙で読む習慣がついている」が55.5%などとなった。

 自身が保有する電子書籍を読む端末(複数回答)は、「パソコン」が89.7%と最多、次いで「携帯電話の端末」が75.4%、「スマートフォン」が6.6%、「ネットブック」が6.1%などとなった。電子書籍を読むのに使用したい端末(同)でも、「パソコン」が54.3%とトップだが、続いて「iPadなどのタブレット型多機能携帯端末」も42.3%と、現在の話題を象徴する結果となった。

 電子書籍の利用意向者が専用端末に使ってもいい購入費用は、「5000円以下」が38.7%で最多、次いで「5001円~1万円」(24.6%)、「1万1円~1万5000円」(15.6%)と続く。現在、販売されている端末の価格に比べ、端末によっては半値や6分の1程度の価格となっている。今後ますます市場が拡大すると想定される電子書籍端末市場において、メーカーは“費用対機能”で、いかに購入者を惹きつけられるかがカギとなりそうだ。

 電子書籍の課金方法(複数回答)は、「単品購入」が75.6%と最多だが、今後のサービス展開や電子書籍の普及によっては、課金や購入方法の選択肢の幅も広がりそうだ。また、電子書籍の1アイテムあたりの購入価格は、「201円~300円」が25.0%で最多、次いで「101円~200円」が19.3%、「51円~100円」が15.4%など。「無料」は7.5%にとどまり、優良なコンテンツには、一定の価格を払ってでも利用したいという表れのようだ。

 同調査結果の詳細は↓
 http://research.rakuten.co.jp/report/20100625/

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