2010年06月17日-2
10年度新入社員、「管理職志向」が過去最高の44%

 産業能率大学が2010年度入社の新入社員を対象に実施した「新入社員の会社生活調査」結果(有効回答数505人)によると、今年の新入社員は、将来の進路として「管理職志向」が44.3%と過去最高の割合となり、初めて「専門職志向」(44.0%)を上回る結果となった。管理職志向の新入社員は、2000年度は23.7%と2割を上回る程度だったが、今年度はその倍に近づいている。一方、「独立志向」は不人気で、過去最低の8.7%にとどまる。

 最終的に目標とする役職・地位では、「地位に関心がない」が今年度は36.5%で、前年から10.7ポイント低下。一方で、「部長クラス」が19.7%、同3.4ポイント増、「役員クラス」が18.9%、同2.6ポイント増と増加が目立つ。「社長」(14.9%)も昨年に比べると2.3ポイントアップしているが、20年前の1990年度は34.4%、10年前の2000年度は16.4%あったことを考えると人気は下がる傾向にあるといえる。

 35歳時点での理想の年収の加重平均は、過去最低となった昨年の731万円をさらに下回り、723万円となった。現実を予想した年収も586万円で過去最低を更新。理想の年収では、「1000万円以上」はピークの2002年度には39.1%あったが、今年度はこの値の半分以下で過去最低となる15.8%まで落ち込んでいる。一方、今年度1位の「600万円台」(32.1%)は、過去最低だった2001年度(18.5%)から1.7倍強に膨らんでいる。

 年功序列と成果主義のどちらを望むかを二者択一で聞いたところ、「成果主義」が57.8%、「年功序列」が42.2%となった。成果主義と年功序列が拮抗した昨年に比べると5ポイント程度が成果主義側にシフト。終身雇用については、「望む」が71.1%で、過去最高だった昨年から2.4ポイント減少しているが、依然70%台の高い水準を維持している。年度によって増減はあるが、終身雇用制度を望む傾向は続いているといえる。

 ところで、就職氷河期といわれた今年度の採用環境だが、来年入社の就職活動についても、87.1%の新入社員が「自分が経験した今春入社よりも“厳しくなる”」と予想している。うち17.2%が「非常に厳しくなる」とみている。また、就職活動に取り組む姿勢は、「業種を限定せず広い視野を持つべき」とのアドバイスが63.2%で、「業種を絞って目標を定める」の36.8%を上回っていた。

 同調査結果の概要は↓
 http://www.sanno.ac.jp/research/pdf/fresh2010_1.pdf

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