2010年06月17日-1
中小企業の経営上の問題点は「需要の減少・低迷」

 商工中金が、取引先企業を対象に今年1月1日時点で実施した「中小企業の経営改善に関する調査」結果(有効回答数4911社)によると、中小企業が経営上、現在問題と感じていること(5つまで回答)は、「需要の減少・低迷」が85.3%ともっとも多く、「販売価格の下落」が50.9%で続いた。さらに「国内企業との競争激化」が39.1%で、国内市場では低迷する国内需要を奪い合う状況となっている。

 以下、「固定費負担の増大」(17.1%)、「国内需要構造の変化」(16.5%)、「資金調達」(15.7%)、「主力取引先からの生産コスト引下げ要請」(14.5%)の順。これら経営上の問題点の解消が見込まれる時期は、おおむね「2~3年程度」がもっとも多く、特に、「需要の減少・低迷」、「販売価格の下落」は4割以上に及ぶ。ただし、「解消の見通しが立たない」が4割前後を占めており、その見通しが必ずしも確固たるものではない様子がうかがえる。

 将来の経営戦略のイメージ(3つまで回答)では、「現状の売上水準を前提に利益率を強化」が67.7%と、需要の低迷が続くことを前提に経営戦略を構想している企業が多い。次いで「国内市場の自律的回復を待つ」も47.8%に達し、需要回復街の姿勢も根強い。一方で、「マーケティング手法を見直し、国内需要を開拓」が30.5%、「新製品を開発し、国内市場を開拓」が25.5%と国内需要の掘り起こしに一定の工夫を加える姿勢も垣間見える。

 今後重点的に実施予定の経営改善策(7つまで回答)をみると、今後1~2年では、「新販路の開拓」(45.8%)、「人材の確保、社内教育の充実」(30.7%)、「新しい製・商品、サービスの開発」(30.4%)、「新市場の開拓」(29.0%)の比率が高い。今後5年以内では、「人材の確保・社内教育の充実」(31.3%)が最多。また、「資産売却、借入削減等総資産の圧縮」や「新規事業の進出」など、事業の再構築に関する項目が今後1~2年より高い。

 同調査結果の詳細は↓
 http://www.shokochukin.co.jp/report/tokubetsu/pdf/cb10other06_01.pdf

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