2010年05月31日-3
依然として厳しい地域金融機関に聞いた景況感

 日本総研が、地銀、第二地銀、信金を対象に3~4月にかけて実施した「地域経済の再生における金融機関の役割に関するアンケート」結果(有効回答数36行)によると、この1年の景況について「足踏み状態」が50.0%、「悪化している」が50.0%と、地域金融機関の景況に対する評価は依然として厳しい。景気の動向が深刻な産業分野については、建設業が「非常に深刻」66.7%、「深刻」33.3%を合わせて100%が「深刻」と回答している。

 次に、貸出先の事業再生への取組みについて「経営改善改革等の作成と実行支援」がもっとも高く、「よく行う」(63.9%)、「行う」(36.1%)を合わせて100%、次いで「返済期限の延長」(同97.2%)。本来、より踏み込んだ「ビジネス・モデルの転換に関する提案」を行っていく必要があるが、「行う」との回答率は22.2%にとどまり、「あまり行わない」75.0%、「行わない」2.8%を合わせて8割近くが「行わない」と回答している。

 複数社まとめて再生を行う手法が地域再生に効果があるかどうかについては、6割以上が「効果があると思う」と回答。しかし、その手法を用いた実績については「ある」が16.7%に対して、「ない」が83.3%と8割以上が実績を有していない。その手法の課題としては、「持ち株会社への統合後にリーダーシップをとる人材の確保、教育」が55.6%、及び「地域の利害関係の調整」が52.8%と、いずれも過半数となった。

 最後に、地域再生を担うプレイヤー(機関)は期待する成果をあげているかどうかについては、「地域金融機関」が77.7%、「中小企業再生支援協議会」が72.2%と、それぞれ7割以上が「成果をあげている」と回答。一方、「あまり成果をあげていない」がもっとも高かったのは「政府系金融機関」で55.6%、次いで「中小企業再生ファンド」(27.8%)、「民間ファンド」(25.0%)だった。

 同アンケート結果の詳細は↓
 http://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/column/study/pdf/4982.pdf

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