2010年05月27日-3
輸出主導の回復が徐々に民間需要に波及

 新光層総合研究所がまとめた「国内経済ウォッチ」によると、輸出主導の回復が徐々に民間需要に波及していることが明らかになった。2010年1~3月期の実質GDPは前期比+1.2%(前期比年率は+4.9%、前年同期比は+4.6%)と4四半期連続のプラス成長となった。この結果、2009年度の実質GDPは前年度比▲1.9%と2年連続のマイナス成長(2008年度は▲3.7%)となった。

 需要項目別にみると、「財貨・サービスの輸出」が前期比+6.9%、「財貨・サービスの輸入」が同+2.3%となり、純輸出寄与度は前期比+0.7%pとなった。輸出は、回復当初に比べれば増加ペースは緩やかになってきているものの、高めの伸びを続けており、引き続き国内生産の牽引役となっている。国内需要については、「民間最終消費支出」が前期比+0.3%と4四半期連続の増加となっている。

 当期のGDPは、(1)中国や米国など海外経済の回復の動きを背景に、輸出の増加傾向が続いていること、(2)耐久財消費が堅調さを維持するなど、政策支援による需要喚起の動きが続いていること、(3)在庫調整の一巡に続き、雇用者報酬や設備投資の調整も進展しており、国内需要に持ち直しの動きがみられること―などといった点が確認され、足元にかけての日本経済は、徐々に回復の動きが広がってきているといえる。

 今後の動きについては、中国や米国を始め海外経済の回復の動きが続き、雇用や設備投資の調整に歯止めがかかり、回復の動きが民間需要に波及してきている―などから、日本経済は輸出を起点とする回復の動きが継続する可能性は高い。しかし、成長ペースは次第に緩やかなものになっていくとともに、欧州ソブリンリスクの高まりなどによる金融・資本市場の不安定化や加熱抑制策の強化による中国景気減速などが懸念されるとしている。

 同「国内経済ウォッチ」の詳細は↓
 http://www.shinko-ri.co.jp/dynmc/gcnt.php/DL0000005201/01/01/100520_jp_GDP10Q1.pdf

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