2010年05月27日-2
来年もさらなる就職難の予兆~就職内定率47.8%

 新卒採用広報メディアを中心に様々なサービスを提供するディスコが、2011年3月卒業予定の大学生(現大学4年生、修士2年生)モニター2000人を対象に5月1日~10日の期間、インターネットで就職活動状況調査を行った結果(有効回答数969人)、5月1日現在のモニター内定率は47.8%で、前年同期(49.5%)を1.7ポイント下回った。理系学生の内定率は技術職採用復活を受け前年を上回ったが、文系が一層苦戦している。

 内定学生のうち就職先を決定し活動を終了したのは70.0%で、前年(62.4%)を7.6ポイント上回っている。企業が内定承諾の期限を短めに設定するケースが増えたことが影響したようだ。内定を得た業界で、文理とも10位以内に入っている業界は、「銀行」、「電子・電機」、「運輸・倉庫」、「水産・食品」、「医薬品・医療関連・化粧品」、「機械・プラントエンジニアリング」で、採用を復活した製造業が目立つ。

 5月1日現在の一人当たりのエントリー社数平均は87.6社で、前月よりも6.0社伸びた。さらに、就職活動継続者の今後のエントリー予定社数は、平均で8.5社にのぼり、最終的なエントリー社数が100社を超える可能性も出てきた。学生たちはできるだけ多くの企業を見つけ、「持ち駒」(選考が進行中の企業)を絶やさぬよう強い危機感をもって就職活動に臨んでいる実態がうかがえる。

 また、5月1日現在で内定を得ていない学生(モニター全体の52.2%)に今後の見通しを聞いたところ、「まったく見通しが立っていない」が前月比6.6ポイント増の21.3%にのぼったほか、「就職以外の道を考えている」学生も12.3%と1割を超えた。内定者を含む活動継続中の学生に聞いた「持ち駒」の数は4.1社で、先月調査(8.1社)より半減、就職戦線に暗雲が垂れ込めている。

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