2010年05月24日-3
09年度下請代金の不当減額は大幅減の4億8千万円

 公正取引委員会が19日に発表した2009年度における下請法の運用状況によると、下請業者に支払うべき代金を発注者側が不当に減らしていたとして下請法違反で2009年度に返還させた金額が前年度に比べ83.7%減少の総額4億8116万円だったことが分かった。これは、前年度の2008年度が、2004年4月の改正下請法施行以降最高額となる29億円強だったことの反動。是正勧告は、最多だった前年度と同じ15件となっている。

 公取委では、下請取引の性格上、下請事業者からの下請法違反被疑事実についての申告が期待できないことから、親事業者及びその親事業者と取引のある下請事業者を対象に定期的に書面調査を実施するなどして、違反行為の発見に努めてきている。2009年度の書面審査は、資本金1000万円超の親事業者3万6342社及びその親事業者と取引のある下請事業者20万1005社を対象に実施した。

 2009年度に新規に着手した下請法違反被疑事件は3835件であり、事件の端緒としては、公取委が親業者及び下請事業者を対象に行った書面審査によるものが3278件、下請事業者等からの申告によるものが105件、中小企業長官からの措置請求によるものが2件。一方、処理件数は3859件で、うち3605件について措置を講じており、その内訳は、「勧告」が15件、「指導」が3590件だった。

 公取委が是正勧告を行った15件はすべて下請代金の減額事件だが、うち1件は、初めて不当な経済上の利益の提供要請に対しても勧告したものだった。下請代金の不当減額については、返還を行った親事業者数は61社で、下請事業者2160名に対し4億8116万円を返還した。50社が下請事業者2022名に対し29億5133億円を返還した2008年度の金額を大きく下回っている。

 2009年度における下請法の運用状況等の概要は↓
 http://www.jftc.go.jp/pressrelease/10.may/10051903.pdf

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