2010年05月17日-4
4月企業倒産962件、8ヵ月連続の前年同月比減少

 帝国データバンクがこのほど発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、4月の倒産件数は962件にとどまり、前月比は16.2%の減少、前年同月比も17.7%の減少となり、2009年9月以降8ヵ月連続で前年同月を下回った。前年同月比17.7%は、1月の17.9%に次いで、集計基準を法的整理のみに変更した2005年4月以降で2番目の減少率となっている。

 4月に再び減少幅が広がった要因としては、(1)金融機関による積極的なリスケ対応が浸透したこと、(2)建設業(234件)が、9ヵ月ぶりの増加となった3月の反動減に加え、公共工事受注後の一時的な入金増で一息つき、前年同月比17.0%の減少となったこと、(3)関東(367件、前年同月比▲21.7%)や近畿(251件、同▲8.7%)なども都市圏で大幅に減少したこと、などが挙げられている。

 一方、負債総額も2545億800万円にとどまり、前月比は14.1%、前年同月比も49.8%の大幅減少となり、3ヵ月連続で前年同月を下回った。これは、(1)負債額トップが、宅地分譲開発の田浦開発(神奈川県、特別清算)で負債208億円にとどまったこと、(2)負債100億円以上の大型倒産は2件にとどまり、不動産、製造などの大型倒産が多発した前年同月の10件を大きく下回ったこと、などが要因・背景にある。

 負債額別にみると、負債5000万円未満の小規模倒産は433件発生し、構成比は45.0%を占めた。一方、負債100億円以上の大型倒産は2件、12ヵ月連続で一ケタの件数にとどまった。資本金別にみると、個人経営と資本金1000万円未満の倒産が469件発生、構成比は48.8%を占めた。中小企業は957件で全体の99.5%、小規模企業も812件で同84.4%を占めるなど、小規模倒産は依然高水準で推移している。

ウィンドウを閉じる