2010年05月17日-1
「ものづくり」、強い競争力を「維持」が8割強

 大阪市信用金庫が大阪府下一円の製造業者を対象に実施した「中小製造業経営者の『ものづくり』観に関する調査」結果(有効回答数526社)によると、わが国の「ものづくり」が、近年台頭めざましいアジアの新興国を始めとする諸外国に対して「変わらず圧倒的な強さを維持」とする経営者が52.8%だった。また、「弱り気味だが、まだ維持」が31.6%あり、これら「強い競争力を維持」とする経営者は84.4%と8割強にのぼった。

 わが国の「ものづくり」は、中国など新興諸国の激しい追い上げに加え、最近のトヨタの大量リコール問題などもあって競争力に不安が生じているが、経営者の大多数は依然強い競争力を維持していると考えている。しかし、同時に、「弱りながら維持」に「弱り気味でもはや維持していない」(15.6%)との回答を加えると、5割近く(47.2%)の経営者が競争力は「弱り気味」と認識していることになる。

 その「弱り気味」となった原因(複数回答)については、「大手企業製造拠点の海外転出」と回答した経営者が75.8%で最多、また、「台頭する新興国との競争激化」も71.0%と多い。以下、「若年人口減少等による国内需要の不足」(42.3%)、「収益悪化等による新たな投資・研究開発費の減少」(41.5%)、「若者の理工系離れ、製造業離れ」(25.4%)、「価値観の多様化など国民性の変化」(12.1%)などが挙げられている。

 さらに、競争力が「弱り気味」と認識する5割弱の経営者に、わが国の「ものづくり」を脅かしている国(複数回答)を聞いた結果、「中国」と答えた経営者が92.7%と圧倒的に多い。次いで「韓国」が51.6%、「インド」が42.7%で続いている。また、「台湾」は23.8%、「その他のアジア諸国」が30.2%である一方、「米国」は4.4%、「ドイツなど欧州」は3.2%にとどまり、やはり近隣のアジア諸国に強い脅威を感じていることが分かる。

 同調査結果の詳細は↓
 http://www.osaka-shishin.co.jp/houjin/keiei/pdf/2010/2010-05-11.pdf

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