2010年05月13日-2
新入社員の就職活動、「厳しかった」が昨年から倍増

 東京商工会議所が、同所が開催した新入社員研修を受講した中堅・中小企業の新入社員を対象に実施した意識調査結果(有効回答数774人)によると、就職活動については、「厳しかった」との回答が35.4%と、昨年度(15.2%)に比べて倍増した。反面、「順調・ほぼ順調だった」(32.4%)は21.2ポイントも減少した。特に女性は、「厳しかった」(38.5%)が24.1ポイント増加し、男性(15.6%→33.7%)に比べて5ポイント多かった。

 就職活動で苦労したこと(3つ選択)は、「採用枠が少なく競争が厳しかった」(59.4%)、「内定が遅く活動期間が長かった」(43.4%)、「説明会や面接の日程・時間の調整」(40.9%)と、就職活動の厳しさを反映する結果となった。「自分のやりたいことがわからず悩んだ」(49.9%)は、「高専卒」が72.7%、「高卒」が70.4%と高く、「大学院卒」は37.1%、「専門学校卒」は38.8%と、学歴の違いをそのまま反映している。

 入社した会社を選んだ理由(3つ選択)は、「仕事の内容がおもしろそう」(49.3%→50.4%)、「職場の雰囲気が良かった」(50.6%→46.5%)、「自分の能力・個性が活かせる」(42.9%→43.7%)を入社の理由に挙げ、自分にあった職場環境で能力を発揮したいと考える仕事志向の人が多い。「安定性がある」(30.4%→30.5%)、「待遇(給与・福利厚生)が良い」(15.8%→14.6%)も大きな変動はなく、この傾向が近年定着してきている。

 今の会社にいつまで働きたいかについては、昨年度12.1ポイント増加して39.5%だった「定年まで」との安定志向が37.9%とわずかながら減少した。一方、「チャンスがあれば転職」が11.0%から14.2%へ増加し、この傾向は、男性(11.6%→14.2%)、女性(9.9%→14.3%)ともにみられた。厳しい雇用環境を受け、「定年まで」は、資本金10億円企業では51.4%から64.0%へと増加したが、それ以下の規模では増加している。

 同調査結果の詳細は↓
 http://www.leggenda.co.jp/news/pdf/news_100422_01.pdf

ウィンドウを閉じる