2010年05月10日-4
中小の景況DIのマイナス幅は4ヵ月連続で縮小

 日本商工会議所がこのほど発表した商工会議所LOBO(早期景気観測)調査結果によると、4月の全産業合計の業況DI(前年同月比、「好転」-「悪化」)は、▲45.7、前月比3.6ポイント改善となり、4ヵ月連続でマイナス幅が縮小した。比較対象となる昨年4月の業況DIが▲70.4と、極めて低い水準だったという要因はあるものの、製造業を中心に、着実に持直しの動きが続いている。

 しかし、大幅な需要不足によるデフレの影響などにより、水準は依然厳しい状況が続いており、各地からは、「消費の低迷に加えて、天候不順により厳しい状況が続いている」との声が寄せられている。先行きについては、▲39.1(前月比+3.4ポイント)と、4ヵ月連続でマイナス幅が縮小。建設業では公共工事の増加が見込めず、厳しい状況が続く見通しだが、その他の業種では売上・受注が回復傾向にあり、先行きに期待する声が多い。

 業種別では、「建設業」(▲59.6)を除くすべての業種でマイナス幅が縮小した。建設業では、新年度に入り、公共工事の契約が大幅に減少し、前月より7.0ポイント悪化したものの、その他の業種では、売上・受注とも徐々に回復の兆しが出ている。また、「仕入価格の上昇分の販売価格への転嫁」については、「転化できそうにない」との声が6割以上である一方、実際に「転化できている」との声は1割程度にとどまっている。

 項目別にみると、仕入単価DI(前年同月比、「下落」-「上昇」)は▲19.4と大幅に悪化、3ヵ月連続で上昇感が強まった。原油・原材料価格の上昇や天候不順に伴う農作物価格の高騰を背景に、前月(▲6.8)に比べ10ポイント以上の大幅なマイナスとなった。そのほか、売上DI(▲41.1)、採算DI(▲42.6)は、建設業以外の業種でマイナス幅が縮小、資金繰りDI(▲31.1)、従業員DI(▲14.1)は、ほぼ横ばいで推移した。

 同調査結果の詳細は↓
 http://www.jcci.or.jp/lobo/LOBO201004.pdf

ウィンドウを閉じる