2010年04月30日-2
2010年版中小企業白書を閣議決定

 政府は27日、いわゆる2010年版中小企業白書(「平成21年度中小企業の動向」及び「平成22年度中小企業施策」)を閣議決定した。「中小企業の動向」のなかでは、中小企業のさらなる発展の方策として、中小企業が、厳しい経済情勢の下、密度が低下する中小製造業集積の維持・発展、環境・エネルギー制約への対応、少子高齢化時代の新事業展開にどのように取り組み成長していくかを分析している。

 中小製造業集積では、製造業の事業所数が大幅に減少している。集積内には、わが国の製造業の根幹を支える高度な技術や工程を担う企業及びこれらの強みを活かして集積外から仕事を獲得してくる企業が存在すると指摘。わが国の製造業の競争力を強化するためには、こうした個々の企業の強みを活かすことのできる中小企業の連携を確保していくことが重要としている。

 また、中小企業では、少子高齢化が進展する中、女性や高齢者の活用等の労働の多様化が進展している。多様な人材を活用するために仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)に取り組むとともに、必要な仕事に必要な人材が就くために業種間の人材移動や人材定着のための環境づくりを進めていくこと、また、最先端の医療技術や健康食品の開発等のライフ・イノベーションを推進していくことが重要としている。

 他方、国外の成長機会の取り込みについて分析。中小企業は、輸出や直接投資を開始した後に、労働生産性の伸び率が上昇するとした上で、中小企業は、国際化にあたって、情報、人材、資金等の課題を抱えており、こうした問題解決を支援していくことにより、国外の成長機会を一層取り込むことができ、また、貿易の自由化は、中小企業にとってもメリットがあり、推進していくことが重要と指摘している。

 なお、「中小企業施策」では、(1)中小企業を守る、(2)雇用を守る、(3)仕事を創る、(4)魅力を磨き国内外に発信する、(5)暮らし・地域に潤いを与える、(6)中小企業の再生・チャレンジを支援する、(7)経営支援体制の充実を図る、の7点を中心に、2010年度において講じようとする施策を示している。

 同中小企業白書の概要は↓
 http://www.meti.go.jp/press/20100427001/20100427001-2.pdf

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