2010年04月26日-3
初任給を据え置いた上場企業は96.6%に上昇

 2010年度の初任給を据え置いた企業が96.6%と昨年度(92.7%)よりも3.9ポイント上昇する一方、引き上げた企業はわずか2.9%(昨年度6.4%)だったことが、労務行政研究所が実施した「2010年度新入社員の初任給調査」結果で明らかになった。同調査は、今年4月入社者の決定初任給について、4月6日までにデータの得られた東証一部上場企業238社についての速報集計をまとめたもの。

 初任給の据置率は2002年度から4年連続で9割を超えていたが、2006年度以降は採用意欲の高まりを反映して低下傾向にあった。しかし、世界不況に陥った昨2009年度は一転、再び9割を超える高い据置率となり、2010年度はそれをさらに4ポイント程度上回っている。100年に一度ともいわれた世界的不況も最悪期は脱し、景気は回復傾向にあるが、デフレへの懸念や厳しい雇用環境など、依然として先行き不透明な状況が影響した。

 全産業平均の初任給は、「大学卒(一律)」が20万5641円、「大学院修士」が22万3384円、「短大卒」が17万2160円、「高校卒(同)」が16万996円の水準。同一企業でみた昨年度と比べ、それぞれ上昇額70円・上昇率0%、同58円・0%、同83円・0%、同72円・0%の上昇にとどまった。うち製造業は、「大学卒(同)」が20万6543円、同72円・0%、「高校卒(同)」が16万3221円、同16円・0%などとなっている。

 学歴別にみた上昇額の分布は、「据置き」が「大学卒(一律)」96.0%、「大学院卒修士」96.2%、「短大卒」97.0%、「高校卒(同)」96.2%と、9割後半を占める。一方で、「5000円以上」引き上げたところは、各学歴別1社ずつにとどまる。最高引上げ額は、「大学卒」が5500円、「大学院卒修士」が6500円、「短大卒」が9800円、「高校卒」が7000円と、昨年は7社あった1万円以上引き上げた企業はゼロだった。

 同初任給調査結果の概要は↓
 https://www.rosei.or.jp/contents/detail/25903

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