2010年04月26日-2
大阪府下の「賃上げ実施」中小企業は11.5%

 大阪市信用金庫が府下一円の取引先企業を対象に4月中旬に実施した「中小企業における2010年の賃上げに関する調査」結果(1107社)によると、今年の賃上げ状況は、「据え置き」とする企業が75.2%でもっとも多かった。これに対し、「賃下げ実施」は11.5%で、過去最少を記録した昨年に比べ1.7ポイント増と3年ぶりに増加した。一方、「賃下げ実施」は13.3%で、昨年に比べ8.3ポイントと大幅に減少した。

 全企業ベースの平均賃上げ率は▲0.28%で、下げ幅は昨年より縮小したものの、2年連続の減少、実質的には「賃下げ」となった。また、賃上げ実施企業ベースの平均賃上げ率は3.06%と、昨年に比べ0.29ポイント増加した。このように、中小企業における今年の賃上げ状況は、「平均賃上げ率」が昨年に引き続きマイナスとなり依然厳しいが、下げ幅は縮小、「賃上げ実施企業割合」も増加したことと合わせ、改善の兆しがうかがえる。

 賃上げ実施企業の賃上げの主な理由は、「業績は向上していないが、人材の定着や士気高揚のため」との企業が49.6%で最多、「業績が向上したため、それに応じて」とする企業も44.1%あった。また、「業績見通しが明るくなったので、それを先取りして」は6.3%だった。「人材の定着や士気高揚のため」は、業種別では「製造業」(59.6%)と「建設業」(57.9%)で特に多く、従業者規模別では、規模が小さくなるほど多くなっている。

 すべての企業に対して賃上げ余力について聞いた結果、「賃上げの余力はまだかなりある」とする企業はわずか3.3%で、「賃上げの余力は少しある」(26.4%)を加えても、「賃上げの余力はある」企業は29.7%にとどまる。これに対し、「賃上げの余力はない」とする企業が70.3%とほぼ7割を占めている。昨年調査と比べると、「賃上げの余力はある」とする企業は0.5ポイントと微増にとどまっている。

 同調査結果の詳細は↓
 http://www.osaka-shishin.co.jp/houjin/keiei/pdf/2010/2010-04-21.pdf

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