2010年04月22日-3
再生終結企業の4%が「再倒産」、一般企業の10倍

 帝国データバンクが、2000年4月~2010年3月の10年間に民事再生法を申請した7754社(負債1000万円以上)を対象に実施した「民事再生終結企業の追跡調査」結果によると、民事再生終結企業は、過去10年間の累計で3365社と、申請全体の43.4%にのぼった。その終結後の状況をみると、93.3%にあたる3141社と大多数の企業が事業継続しており、スポンサーの支援を得て、文字通り再生を果たした企業も少なくない。

 しかし、実質的な再生を果たせず、破産や2度目の民事再生法といった「再倒産」に至るケースも141社、全体の4.2%発生している。この倒産発生率は、2008年度の普通法人・倒産発生率の「0.4%」の10倍であり、一般企業に比べた発生率の高さが分かる。このほか、「解散」(27社、0.8%)や「休廃業」(19社、0.6%)のケースも散見されるなど、民事再生終結企業といえども、すべての企業が“再生”を果たしているわけではない。

 『終結率』(終結件数÷申請件数)をみると、「製造業」が49.4%でトップ、「不動産業」(49.0%)、「卸売業」(47.4%)が続く。一方、「建設業」(36.7%)と「小売業」(34.1%)の終結率の低さが際立っている。また、『再倒産率』(再倒産件数÷終結件数)をみても、「建設業」(6.1%)がトップであり、オーバープレイヤー状態で、かつ、他の業者と差別化した特色を打ち出しにくいことが、『再倒産率』の高さに表れたものとみられている。

 負債規模別にみると、「5億円未満」の『終結率』の低さ(29.2%)が際立ち、負債規模別で唯一、全体の終結率43.4%を下回った。民事再生法は当初、中小企業の再生を念頭に創設されたが、「5億円未満」は申請件数の多さ(3148件)に反して、実際に終結までたどり着いた企業は3割以下にとどまる。これは、中小企業の再生に外部のスポンサーがつくケースは稀であり、再生のハードルが高くなっていることが影響したものとみられる。

 『再倒産率』をみても「5億円未満」が8.8%と突出して高く、これらの数字からも、企業規模が小さくなるほど再生の困難さは増すことが明らかとなっている。

 同追跡調査結果の詳細は↓
 http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p100404.pdf

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