2010年04月19日-4
男女間賃金格差、女性は男性の7割~厚労省

 厚生労働省の「変化する賃金・雇用制度の下における男女間賃金格差に関する研究会(座長:今野浩一郎学習院大学教授)」がまとめた報告書によると、労働者全体を平均してみたときの男女間賃金格差は依然として存在しており、2009年は女性が男性の69.8%(正社員に限ると72.6%)と、先進諸外国と比較すると、その格差は依然として大きいことが分かった。

 男女間賃金格差の要因について統計分析を行ったところ、(1)女性は男性に比べて年齢とともに賃金が上昇しない、(2)男女の平均勤続年数や管理職比率の差異、が主要な要因であった。労働者が性別により差別されることなく、その能力を十分に発揮できる雇用環境を整備することは重要な課題であり、男女雇用機会均等法の施行により男女均等取扱いの法的枠組みは整備されてきてはいるが、まだ道半ばといったところだ。

 また、制度設計の段階では性の要素は入っていないが、基準等が曖昧なため性別役割分担意識で運用されることが排除されない、家庭責任を持つ労働者にとり困難な働き方を前提とした制度が採用・配置等の面での男女差に、賃金・雇用管理の運用の段階で、採用、配置や仕事配分、育成方法の決定、人事評価や業務評価などで、偏りが生じ、それらが男女間の経験や能力差、さらには管理職比率の男女差につながっている、と指摘。

 公正・明確かつ客観的な賃金・雇用管理制度の設計とその透明性の確保、配置や仕事配分、人材育成等の賃金・雇用管理の運用面における見直し・改善、過去の性差別的な雇用管理や職場に根強く残る固定的な男女の役割分担意識により生じている格差を解消するための取組み(ポジティブ・アクション)を通じ、企業、労使の取組みに際して、まずは男女別統計資料の整備、実態把握を行い、具体的な見直しの議論につなげていく必要がある。

 同報告書の概要は↓
 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r985200000057do-img/2r985200000057f6.pdf

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